SDGsについて知りたいけれど、どこから学んだらいいのかわからない、何を学んだらいいのかわからない、という方は多いと思います。
国連が定めている、といっても英語はよくわからないし、ニュースを見ても日本にどう関係があるのかよくわからない。またSDGsについてまったく知らないという人や子どもたちにもわかりやすく伝えるにはどうしたらいいか、悩んでいるという方もいるでしょう。
そこで、SDGsについて学べるおすすめの本をピックアップして、タイプ別にまとめてみました。目的や用途に合わせて本を選ぶときの参考にしてみてください。
SDGsの概要を知りたい方におすすめの本
SDGsの基本的なことや全体像などを大まかに知りたい、という方におすすめの3冊がこちらです。
60分でわかる!SDGs 超入門(功能 聡子、佐藤 寛・監修/技術評論社)
その名のとおり、60分程度でSDGsのことがわかるように工夫された本です。
左ページに説明文、右ページにイラストや図が載っている構成のため、文章だけだとなかなか読み進められないという人にも読みやすいでしょう。全ページフルカラーで楽しめます。
内容はグローバルな視点で書かれているのも特徴的で、世界に比べて日本の達成率はどれくらいか、という日本の立ち位置もわかるようになっています。
実際に企業でおこなわれている取り組みを知ることもできるので、SDGsが縁遠いと感じている人にも身近に感じることができる内容といえるでしょう。SDGsの入門編としておすすめしたい1冊です。
2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(落合 陽一・著/SBクリエイティブ)
SDGs検定の参考図書にも加えられている、SDGsの基本が詰まった本です。
「テクノロジー×地政学×データ」で2030年の地球を読み解く、というコンセプトのもと、世界地図やデータをフル活用して世界、そして日本の現在位置とこれからどこへ向かおうとしているのかを解説しています。SDGsの17の目標にテクノロジーがどのようにかかわるのか、影響していくのかという点がイラストで説明されているのもわかりやすいです。
著者は筑波大学の准教授を務めながらメディアアーティスト、その他さまざまな肩書を持つ落合陽一さんです。国内外で多くの賞を受賞してきた経歴を持つ氏の視点から見える2030年への道筋は、他の本にはない面白さがあります。
SDGs入門(村上 芽、渡辺珠子・著/日経文庫)
通勤途中や仕事の合間に手軽に読みたい方人には嬉しい新書サイズ。著者の2人は多くのセミナーや講演の経験があり、その中で実際に多くあった質問を中心に構成されているのが特徴です。章立てもすっきりとしていて初心者に読みやすく、コンパクトにまとまっています。
どちらかといえばビジネスパーソン視点の話題が多く、SDGs達成のために企業ができることや実例、社内でディスカッションするためのフォーマットも用意されているので、これからSDGsに取り組んでいこうと検討している企業にはもちろん、SDGsに取り組む価値を伝えるのにも便利な1冊といえるでしょう。
わかりやすさ重視!漫画やイラストでSDGsを解説する本
文章だけではイメージが掴みづらいという人や、細かい文字を読んでいる時間がない、子どもにわかりやすく説明するやり方を知りたい、という人におすすめなのが、漫画やイラストでSDGsを説明しているこちらの4冊です。
マンガでわかるSDGs(SDGsビジネス総合研究所 経営戦略会議・著/株式会社PHPエディターズ・グループ)
近年は多くのビジネス書が「マンガでわかる」シリーズを出版するようになり、一見難しいと思える話題も手に取りやすくなりました。本書もSDGsは難しそうだからとっつきにくい、と感じている人の入門書にぴったりな内容です。
主人公に関係する企業の取り組みがメインになるため、社会人は自分の業種が異なるとピンとこないかもしれません。簡潔に大まかに内容が伝わるようになっているため、SDGsについて初歩の初歩から知りたいという人におすすめです。
世界がぐっと近くなる SDGsとボクらをつなぐ本(池上彰・著/学研プラス)
小中学生でもわかるように、というコンセプトのもと出版された本書は、見やすいレイアウトとジャーナリスト池上彰さんのわかりやすい文章が特徴です。
目標ごとにキーワードを設定することで印象に残りやすいように工夫し、「誰一人取り残さない」というSDGsの合言葉そのもののような「誰が読んでもわかる本」になりました。ただ学ぶだけでなく、そこからどう実践していくかのヒントも載っています。
未来の授業 SDGsライフキャリアBOOK(佐藤真久・監修/宣伝会議)
特に学校の教材として役に立つ1冊です。4人の主人公を中心としたストーリーに引き込まれ、読み進めるうちにSDGsの知識が身につくでしょう。
特徴的なのはSDGsのすべての目標を日本に落とし込んで説明している点です。世界のどこかで起きていることではないと、SDGsを自分ごとに捉えた理解が深まります。
すでに学校の教材としても採用された実績を持つ「未来の授業」シリーズなので、学校教育の場ではもちろん、子どもに教えてあげたいときに役立ちます。
お笑い芸人と学ぶ13歳からのSDGs(たかまつなな・著/くもん出版)
学校の図書館や教育現場に是非おいてほしい、と言われるほど、SDGsについて面白くわかりやすく解説している本です。
著者のたかまつななさんはお笑い芸人でありながら教員の資格も持ち、「政治の絵本」を出版した経歴もあります。お笑い芸人や教育職で培われた面白おかしくわかりやすく伝える力をふんだんに発揮した1冊といえるでしょう。
子どもも学べる!SDGsの絵本
小さい子どもが一緒にSDGsを学ぶことができるように、SDGsの絵本も出版されています。
わたしがかわる みらいもかわる SDGsはじめのいっぽ(原 琴乃・著/汐文社)
子どものうちからSDGsに関する知識を身につけ、子どもたち自身が持続可能な社会をつくる当事者として成長してほしい、という想いからうまれた1冊です。SDGsの基本的な知識を学べるだけでなく、身近な生活の中でどのように行動に起こしていけるか、というところまで考えられるように工夫されています。
SDGsの第一人者である著者の原琴乃さんは、外務省職員として国内外でSDGsを推進されてきました。そのため基本的かつ重要なことが簡潔でわかりやすく書かれているのが特徴です。
G’sくんといっしょにSDGs(稲葉茂勝・著/今人舎)
SDGsの17の目標のカラーで彩られた、しゃくとりむしのような「G’s(じーず)くん」が絵本の中を動き回り、SDGsへの理解を深めようという個性的な絵本です。
折り紙でつくれるG’sくんは、くるっとまるくするとSDGsバッジそっくりの形に変身できます。子どもたちの興味関心をかきたて、SDGsについて自然と理解が深まるユニークな絵本です。
SDGsをもっと掘り下げて知りたい方に
SDGsの基本的な知識は身についたから、もう少し掘り下げてSDGsへの理解に努めたい、という人にはこちらの2冊がおすすめです。
SDGs思考 2030年のその先へ 17の目標を超えて目指す世界(田瀬和夫・著/インプレス)
SDGsを自社の経営に、仕事に組み込みたいと考えている人向けの本です。
SDGsにおけるビジネスの役割に重点をおいた内容になっており、17の目標、169のターゲットに限らず広い視点でSDGsを捉え、ビジネスにどのように活かしていくかのヒントが詰まっています。
著者の田瀬和夫さんは、サスティナビリティに特化したコンサルティングファーム「SDGパートナーズ」の代表を務めておられ、本書には購入するとセミナー動画が見られる特典もつきました。また2020年後半になってから出版された本ということもあり、2020年に起きた感染症とSDGsとのかかわりについても触れられています。
SDGsの正体 メディア報道ではわからない真の目的とは(村井 哲之・著/PHP研究所)
会話形式という親しみやすい書き方をされていながら、多くのSDGsの本では語られてこなかった部分が浮き彫りになっています。
「SDGsは国連が定めているから絶対だ」という立ち位置からではなく、 企業のSDGsとの距離感について触れられています。 自分たちは何に巻き込まれようとしているのか、俯瞰的に物事を把握したいという人にはおすすめです。
まとめ
SDGsについてわかるおすすめの本をピックアップしました。
基本的な知識が学べる本から、子どもにもわかりやすく解説されている本、より掘り下げて理解を深める本まで幅広くあります。是非、ご自身のSDGsへの理解を深めるときに活用してみてくださいね。
なお、記事監修者の仲村寿子の著書もまもなく出版予定ですので、楽しみにお待ちください。