サブスクリプションビジネスとは、「課金提供型ビジネス」のことです。幅広い分野で導入しやすい反面、常にコンテンツの変化が必要など課題もあります。
成功の秘訣やモデル事例を参考に、ユーザーファーストを第一としたサブスクリプションビジネスの施策を考えましょう。
目次
サブスクリプションビジネスとは課金提供型のビジネス
サブスクリプションビジネスとは、ユーザーがサービスごとに料金を支払うのではなく、利用した期間や量に応じて料金を支払う「課金提供型」のビジネスです。
従来はスマートフォンやPCで音楽などを中心とした、利用し放題なデジタルサービスが中心でしたが、カーシェアなどの「モノ」のサブスクリプションも登場し、幅広い分野に広がりつつあります。
近年、物を所有したり購入したりすることへの価値を感じなくなった人が増え、消費者のニーズが「所有から利用」に変わりつつあります。その結果、定額で自由に利用できる課金提供型のサブスクリプションビジネスがユーザーのニーズにマッチし、シェアを広げることになったのです。
定額制との違いについて
定額制とサブスクリプションビジネスの違いは、「仕組み」にあります。定額制は、同じサービスや商品に対して継続的に料金を支払ってもらうシンプルな仕組みです。
一方でサブスクリプションビジネスは、消費者との関係性を大切にし、料金プランを充実させることや、無料期間などを設けるなどユーザーファーストでサービスを提供する仕組みをとっています。
サブスクリプションビジネスのメリットと課題
サブスクリプションビジネスには、多くのメリットがありますが、同時に課題も存在します。
まずユーザーにとっては、コストを抑えられる、気軽に利用開始または解約ができる、サービスや商品を利用し放題などのメリットがあげられるでしょう。しかし、契約期間中は利用していなくても料金が発生してしまうなどのデメリットもあります。
では、企業側にとってはどのようなメリットと課題があるのか紹介します。
サブスクリプションビジネスのメリット2つ
サブスクリプションビジネスは、企業側にとって「多様な業界・業種で導入しやすく、新規ユーザーを獲得しやすい」「継続的に安定した収益が見込める」というメリットがあります。
そのほかにも、サブスクリプションビジネスは定期利用であるため、ユーザーの利用状況を集計し蓄積したデータをもとに事業に活用できることや、利益の見通しが立てやすいこともメリットとしてあげられます。
それぞれのメリットについて詳しく紹介しますので、施策を立てる参考にしてください。
1.導入しやすく新規ユーザーを獲得しやすい
1つ目のメリットは、「多様な業界・業種で導入しやすく、新規ユーザーを獲得しやすい」ことです。
サブスクリプションビジネスには、決まった業界や業種が存在しません。そのため、アナログやデジタル商品を問わず、さまざまな業界や業種で導入が可能です。これまで導入したことのない業界や業種であっても、工夫やアイデア次第でサブスクリプションビジネスを導入できるのです。
また、サブスクリプションは初期費用が低く、サービス自体も比較的リーズナブルな料金で提供されています。ユーザーは、気軽にサービスの利用を開始できるため、新規ユーザーが獲得しやすいビジネスといえるでしょう。
2.継続的に安定した収益が見込める
2つ目のメリットは、「継続的に安定した収益が見込める」ことです。
売り切り型ビジネスの場合、商品やサービスの売れ行きによって毎月の収益が変動するため、収益を予想するのが難しく、安定した収益が見込めないこともありました。しかし、サブスクリプションの場合は課金提供型のビジネスのため、継続的、かつ安定した収益を見込めます。
また、ユーザー数に月額料金を乗じることで毎月の収益を割り出し、収益予想を立てやすいというメリットもあります。このように、売り切り型のビジネスとは異なる経営上のメリットがあるのです。
サブスクリプションビジネスの課題点2つ
メリットがある一方で「サービス開始後に即収益にはつながらない」「常にコンテンツの変化が必要」という課題もあげられます。
決してメリットばかりのビジネスではないことを理解し、課題点も把握しながら施策を立てましょう。また、ビジネスを成功に導く秘訣やモデル事業も後述で紹介しているので、課題を解決する糸口を見つけるために合わせてご覧ください。
1.サービス開始後に即収益にはつながらない
1つ目の課題は、「サービス開始後に即収益にはつながらない」ことです。サブスクリプションビジネスは、利用料金が低額なため、ユーザーが一定数増加するまでは大きな収益を得られない可能性があります。
特にユーザー数が少ないと考えられるサービス開始直後は、即収益につながらないことも多いです。そのため、ビジネスを始める前に予め損益分岐点を試算し、ユーザー数が一定に増えるまで会社の体力がもつのかを確認する必要があるでしょう。
2.常にコンテンツの変化が必要
2つ目の課題は、「常にコンテンツの変化が必要」なことです。
メリットにて、「継続的に安定した収益が見込める」と説明しましたが、常に同じサービスや商品を提供しているだけではユーザーが離れてしまう可能性が高いため、収益を安定させることは難しいでしょう。
ユーザーに継続してサービスや商品を利用してもらえるよう、飽きられない努力をしなければなりません。ユーザーニーズや市場は常に変化するため、それに対応した新しいコンテンツを導入し続ける必要があるのです。
サブスクリプションビジネスのモデル事例を3つ紹介
サブスクリプションビジネスのモデル事例として、「ブルーミー」「DREAMBEER」「GREEN SPOON」の3つをご紹介します。今回は女性へのサービスに特化したものを厳選しました。
実際に、どのようなサービスを提供すればいいか悩んでいる方、女性向けサービスの提供を考えている方は、事例をもとにビジネス導入へのヒントを掴んでください。
1.素敵なお花が定期的にポストに届く「ブルーミー」
ブルーミーは、市場で仕入れた季節のお花が定期的に自宅ポストに届くサービスです。
従来のお花のサブスクは、1店舗または生産者から直接配送するというサービスが多かったのですが、ブルーミーは全国の様々な生花店からランダムでお花をユーザーに送ることによって、飽きさせない仕組みづくりをしています。
しかし、時にはユーザーにとって好みでないお花が届くこともあり、この問題を解決するために今後「パーソナライズ機能」を導入することを検討しているようです。
パーソナライズ機能により、ユーザーの嗜好を分析し、好みに合ったお花を届けられるようになることが期待されています。
2.全国のビールをマイビールサーバーで楽しめる「DREAMBEER」
DREAMBEERは、全国各地のビールを家庭用本格ビールサーバーで楽しめるサービスです。
大手企業がビールサービスに参入し競争を繰り広げる中で、DREAMBEERは100銘柄という圧倒的な数のビールを扱うことで注目を集めました。大手のように独自ビールは所持していませんが、全国50の醸造所のクラフトビール100銘柄を提供することで、ユーザーに「自宅にいながら旅をしている気分を味わえる」ということも提供し差別化を図ったのです。
また、会員制にすることでユーザー数に応じてある程度の消費量を予測できることから、ビールの廃棄問題にも一役買っており、醸造所にとってもメリットのある仕組みを採用しています。
3.組み合わせ自由なスムージー・スープが楽しめる「GREEN SPOON」
GREEN SPOONは、野菜・フルーツなど200種類以上の食材から自由に組み合わせて、スムージーやスープを楽しめるサービスです。
2020年のコロナ禍の影響で在宅時間が伸び、健康思考の人が増えたことによりヒットしました。商品がヒットした背景として、スープはレンジ調理だけで簡単に済むという手軽さがあげられ、女性だけでなく男性からの注目も集められたことでしょう。
また、期間限定メニューやアレンジレシピなど、味のバリエーションを豊富にすることでユーザーに飽きさせない仕組みを作り、多くのリピーターを獲得しています。
サブスクリプションビジネスを成功へ導く2つの秘訣
サブスクリプションビジネスを成功へ導く秘訣としては、「キャンペーンを用意し加入のハードルを下げる」「豊富なプランを用意し長期ユーザーを獲得」などがあげられます。
どちらもユーザーのニーズに適しており、サービスを気に入ってもらえるきっかけづくりの対策として有効です。では、具体的にどのような秘訣か紹介します。
1.キャンペーンを用意し加入のハードルを下げる
多くのサブスクリプションビジネスでは、キャンペーンを行うことで加入を検討しているユーザーのハードルを下げる施策を取っています。
「無料お試し」「ポイントプレゼント」などのキャンペーンを開催し、ユーザーとサービスの接点を増やすことで、ユーザーを獲得しやすくしているのです。ビジネスを成功に導くためにも、サービスを手軽に利用できたり、ポイントがもらえたりするユーザー目線に立ったキャンペーンをぜひ検討しましょう。
2.豊富なプランを用意し長期ユーザーを獲得
豊富なプランを用意し、ユーザーが長期的に満足する環境を整えるのも成功の秘訣です。長期的に利益を上げて成功するには、長期ユーザーの獲得は必要不可欠と言っても過言ではありません。
長期ユーザーの獲得のためにも、ユーザーにサービスを飽きさせないニーズのあるプランを、数種類にわけて用意することを検討しましょう。新規ユーザーを獲得することだけに目を向けるのではなく、長期ユーザーにも注目することがサブスクリプションビジネスでは重要なポイントなのです。
まとめ
ユーザーがサービスを利用した期間や量に応じて料金を支払う、課金提供型のビジネスであるサブスクリプションビジネスは、導入しやすく、成功すれば安定した収益を見込めます。しかし、課題もあるため、いかに克服するかが成功のカギを握っていると言えるでしょう。
従来の定額制とは違い、ユーザーファーストでサービスを提供することが重要です。キャンペーンを用意したり豊富なプランを用意したりと、ユーザーファーストという考えを前提とした施策が必要であることを肝に銘じておきましょう。