初頭効果は、最初に感じた印象や最初に示された特性が記憶に定着し、その後もその人やその物の印象として残っていくという心理を表した言葉です。
たとえば、普段生活をしていて、
「この人ってこんな人だよな」
というように、あまり喋ったことがない人に対してもなんとなくのイメージでその人の人物像を決めつけてしまうことってありませんか?
ほとんどの方がこの現象を経験したことがあるかと思いますが、
実はこの現象、悪いことでも間違ったことでもなく、元々も私たちに備わっている心理的な効果なんです。
私たちに人間には他人に対してのイメージを決めつけるタイプの心理がいくつか備わっていて、それらの心理によって他人へのイメージが保たれていくようになっているのです。
それらの心理の中でも特に有名なのが「初頭効果」と「親近効果」です。
そして、この初頭効果と親近効果は、商品やサービスのマーケティングやセールスにも活用することができるんです。
商品やサービスのマーケティングやセールスに初頭効果と親近効果を上手く活用することができれば、売上の大幅アップも夢ではありません。
そこでこの記事では、商品やサービスのマーケティングやセールスに活用できる心理である初頭効果と親近効果について詳しく解説していきたいと思います。
「もっと効率良く売っていきたいと」
と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
初頭効果と親近効果
私たち人間には人や物の印象を勝手に定めてしまうような心理が備わっていますが、
それらの心理の中でも代表的なものが初頭効果と親近効果です。
この初頭効果と親近効果をマーケティングやセールスに上手く活用することができれば大きな成果が見込めるようになるわけですが、
それには初頭効果と親近効果を正しく理解しておかなくてはいけません。
そこでまずは、初頭効果と親近効果がどういった心理的効果なのかについてみていきましょう。
初頭効果とは
初頭効果は私たち人間に備わっている心理的効果の一つで、
最初に感じた印象や最初に示された特性が記憶に定着し、その後もその人やその物の印象として残っていくという心理を表した言葉です。
例えば、本当は優しい人でも、最初に抱いてしまった印象が
「なんだか怖そうな人だな…」
というものであれば、その人のことをずっと怖い人として認識してしまうようになってしまいます。
また、初頭効果は実際にその人物やその物を見る前の印象を操作することも可能です。
例えば、「これから紹介する人はとても知的で優秀で…」と紹介した後でその人物に会わせたとすると、
紹介された人はその人物に知的で優秀な印象を抱くようになります。
逆に、「これから紹介する人は野蛮で頭も悪くて…」と紹介した後でその人物に合わせると、
紹介された人はその人物を野蛮で頭の悪い人物だと認識してしまうわけです。
これを、初頭効果といいます。
親近効果とは
親近効果も私たち人間に備わっている心理的効果の一つです。
親近効果は初頭効果とは正反対に位置する心理的効果で、最後に感じた印象や最後に示された特性が記憶に定着し、その後もその人やその物に対する印象として残っていくような心理を表した言葉になります。
例えば、初対面のときは印象があまり良くなかった人の印象が、頻繁に接していく中でいい印象に変わっていくのも親近効果によるものです。
つまり、接していってその人の印象が少しずついいものに変わり、最新の印象である「いい人」という印象が強く残るようになるというわけです。
また、異なる情報をいくつかあたえると、最後にあたえた情報を信用しやすくなるというような実験結果も出ています。
このように、最初の印象が良くなくても最後に接したときの印象を良くすることで、親近効果によって印象をすり変えることができるようになるわけです。
初頭効果と親近効果はどちらも重要
人や物に対する心理として代表的な初頭効果と親近効果について解説してきましたが、
「結局どっちら重要でどっちが残りやすいの?」
という疑問を持った方も少なくないかと思います。
しかし、初頭効果と親近効果のどちらが重要でどちらが残りやすいのかは、その人やその場面によって異なります。
初頭効果を使っていく場合
初頭効果は最初に感じた印象が後々まで影響してくるというものでしたね?
ですので、初頭効果を有効的に活用していくのであれば、最初でいい印象をあたえなくてはいけません。
例えば、ウェブサイトにランディングページを用意して、商品やサービスを売っていきたいとします。
その場合、ランディングページの冒頭に悪いことを書いてしまうと、
ランディングページを読み進めていく間はもちろん読み終わってからもその悪いことの印象が強く残ってしまうため、
「この商品はあまり良くない商品なんだ」
と感じられ、商品を購入してもらいにくくなってしまいます。
また、ランディングページの文章の冒頭がつまらないものやユーザーの興味をひくものでなかった場合、
「どうせこのまま読み進めていってもつまらないんだろうな」
「このページには自分に関係ないことしか書かれていないんだろうな」
という印象を抱かせてしまいます。
その場合も当然ですが商品やサービスを売ることはできません。
ですので、初頭効果を狙うのであれば、ランディングページの冒頭にはいいことを書いていくようにしましょう。
商品やサービスの魅力的な点やその商品やサービスを利用することで得られるベネフィットを書いていき、
ランディングページを読み終わった後でも、いい点やベネフィットを思い出してもらえるようにしていくわけです。
また、ランディングページの冒頭文はユーザーの興味をひくものにしていきましょう。
ランディングページを作っていく上での定番ですが、
ランディングページを読むユーザーが共感できる表現や共感できる部分を入れ、
ユーザーに自分に関係あるページなんだということをしっかりと伝えていきましょう。
このように、ビジネスで初頭効果を上手く活用していきたい場合には、
冒頭にいいことを書いたり、言ったりして、いい印象を相手に残していくようにしましょう。
親近効果を使っていく場合
親近効果は最後に感じた印象が後々まで影響してくるというものでした。
ですので、ビジネスで親近効果を有効的に活用していきたいのであれば、最後にいい印象をあたえる必要があります。
ここでもランディングページを例にして解説していきましょう。
ランディングページを作る場合、まず冒頭は初頭効果を狙った構成にしていきます。
そして一番印象が薄くなる中央部分にデメリットなどの要素を配置し、最後に親近効果を狙っていい要素を配置していきます。
例えば、改めてメリットやベネフィットを配置してみたり、実際にその商品やサービスを使ったユーザーの声を配置してみたりという具合です。
そうすることでいい印象を持ったままランディングページを読み終わらせることができ、商品を購入したり、サービスに申し込んでもらいやすくなります。
このように、ビジネスに親近効果を上手く活用していく場合には、最後にいいことを書いたり、言ったりしていくことが大切です。
まとめ
商品やサービスをもっと効率よく売っていきたいと考えている方やもっと売上をあげたいと考えている方のために、
商品やサービスに関しての印象を左右する心理である、「初頭効果」と「親近効果」について詳しく解説してきました。
今回紹介してきたように、人が抱く印象というものは最初に抱いた印象で凝り固まってしまうこともあれば、
最後の印象で凝り固まってしまうこともあります。
これらの印象の固定化は人を相手にしてビジネスをおこなっていく上で厄介な心理だと言えますが、
初頭効果と親近効果のことを理解していれば対処が可能です。
初頭効果と親近効果はどちらかがより重要になってくるということはなくどちらも非常に重要な要素になるので、
ぜひ積極的に活用していくようにしましょう。
ちなみに、下記のページでは仕事でつかえる心理学について解説していますので参考にしてください。