起業に必要なものは万全の準備です。しかしいざ起業しようと考えると「何から準備したらいいのかわからない」「準備に必要なものがわからない」という方も多いのではないでしょうか。起業には事前に用意するものや決めておくべきことが多くあります。
起業を成功できるかどうかは「事前準備」にかかっているといっても過言ではありません。本記事では起業前に決めておくべきこと、起業前後に必要になるものについて詳しく解説します。
目次
起業前に決めておくべき4つのこと
起業前に決めておくべきことは、事業計画や資金について、雇用の計画、広告・宣伝についての4つです。具体的にどのようなことを決めておけばいいのかを解説します。
1.アイデアとプランなどの事業計画
起業にはアイデアやプランなどをまとめた事業計画が必須です。事業計画を立てることは、自身が起業をする理由や動機の確認につながります。
そのためにも、今後立ち上げ予定の事業内容や収益見込みなどを記載した事業計画書の作成をおすすめします。事業計画書を作成するにあたり、次の項目について明確にしておきましょう。
- 事業の目的
- 事業を通した社会への価値提供
- ビジョンや経営理念
- 事業コンセプト
事業計画書は出資や融資の際、相手に提示しなくてはなりません。具体的にどのような事業計画を持っているのか、出資や融資に値する事業なのかを相手に理解してもらうためにも、十分に時間をかけて、実現可能性の高い計画書を作成しましょう。
2.資金調達や資金繰りの方法
資金調達の方法も明確にしておきましょう。事業内容や規模によって起業に必要な金額は異なりますが、いずれにせよ全額を自己資金で捻出するのは難しいため、不足分は調達しなくてはなりません。資金の調達方法には以下が挙げられます。
- 出資
- 融資
- 補助金
- 助成金
- 個人としての借入
- クラウドファンディング
また資金繰りの方法ついても事前に決めておきます。資金繰りとは会社の収支を管理し、不足があれば調整することです。
資金がショートしないためにも、起業前から売り上げをどう確保し、そのお金でどう経費を支払うかという計画を立てておきましょう。資金の流れが止まれば会社は倒産してしまうため、資金繰りの方法を検討しておくことは非常に大切です。
3.雇用に関する計画
雇用計画も起業前に立てておきましょう。創業当初は問題とならずとも、事業拡大には人手が必要です。ただし従業員の雇用には給料の支払いが伴います。事業が順調に拡大する状態でなければ、人件費が経営状況を圧迫しかねません。
事業計画に合わせた雇用計画は事業拡大の大きなポイントです。社会保険料負担まで考えた雇用計画を立てましょう。
4.広告や宣伝の手段
商品やサービス内容について広く知ってもらうためにも、広告や宣伝は欠かせません。「どのような広告を打つのか」「何を使って宣伝するのか」も事前に決めておきましょう。
チラシやSNS、インターネット広告、折込広告など広告の方法は色々ありますが、広告や宣伝にはそれなりの費用がかかります。商品やサービスをユーザーに認知してもらえなければ、売り上げにつながらないため、必要経費であると考えましょう。
それなりの準備と調査が必要な広告や宣伝は、起業前から取り掛かることが大切です。いかにしてユーザーに認知してもらえるかが、起業後の経営に大きく影響するため、事前に必要な広告は何か、どのような宣伝をするのかを決めておきましょう。
起業時に必要となる3つのもの
起業時には会社の認知度を上げるためにも、会社のロゴマークや名刺、ホームページの立ち上げが必要です。どのようなことに気を付けて、これらを用意すればいいのかについて解説します。
1.会社のロゴマーク
ロゴマークは会社を覚えてもらうためには欠かせません。名刺やチラシ、ホームページなどにロゴマークがあることで、ユーザーの記憶に残りやすくなります。
人の記憶には、言葉よりも視覚に訴えた方が定着しやすいため、印象に残るようなロゴマークを用意しましょう。
2.ハードとソフトの名刺
「従来の紙ベースであるハードの名刺」と「内容をデータ化させたソフトの名刺」の両方を作りましょう。
以前は紙ベースの名刺交換がほとんどでした。しかしリモートワークなどが主流になりつつある現代では、オンライン上での会議や商談が当たり前となってきています。
オンライン上でも名刺交換ができるソフトの名刺がなければ、機会損失にもつながりかねません。対面とオンラインいずれにも対応できるよう、ハードとソフトの両方の名刺を作りましょう。
3.サービスや価格が分かるホームページ
ホームページもユーザーに認知してもらうために重要な役割を果たします。インターネットで会社名を検索する機会が多い現代では、ホームページがないと会社について詳しく調べることができないため、「信頼性の低い会社」として判断される可能性もあるでしょう。
ホームページには、「どんな目的で事業を行っているのか」「どんな商品やサービスを販売しているのか」といった事業内容やサービス、価格を詳細に掲載するのがポイントです。
無料のツールなどを活用すれば、ホームページを自作することもできますが、使いやすさや完成度などを考慮するなら、外注を検討してもいいでしょう。
外注する場合は最初の発注時の価格だけでなく、メンテナンスを含めたランニングコストまでを徹底的に調べて比較します。また、見積もりは数社からとり比較することも大切です。
起業後に必要となる3つのもの
起業後、継続的に事業をおこなうためには、仕事場所や設備、チラシが必要です。どのようなものが必要なのか、何を基準にすればいいのかについてご説明します。
1.オフィスなどの仕事場
どんな事業を行うかで必要となる広さや設備は異なりますが、オフィスなどの仕事場の用意は必要不可欠です。1人で活動をするネットビジネスであっても、小さなオフィススペースが必要でしょう。
家賃は広さに比例するため、広いスペースであればあるほどコストがかさみます。オフィスを用意するときは、「来客があるのか」「従業員を雇用する予定があるのか」などを踏まえ慎重に決めましょう。
また法人を設立する場合は、一度構えた仕事場を変更すると、登記を再申請しなくてはなりません。事業計画や雇用計画に合わせ、将来的な展望も考慮しながら仕事場を検討しましょう。
2.パソコンなどの事務用品
事務用品の用意も必要です。特にパソコンは請求書作成や収支計算、取引先とのやりとりなど、事業を行う上でなくてはならないものといえます。
オフィスを用意する場合は、パソコン以外にも次のような事務用品が必要です。
- 椅子
- デスク
- プリンター
- 文房具
仕事をするうえで最低限の必要なものは、最初に揃えるようにしましょう。事務用品の中には固定電話や携帯電話といった毎月の使用料や固定費を発生させるものも含みます。
起業当初から過剰投資にならないよう、仕事をするうえで最低限の必要なものだけを揃えるようにしましょう。
3.チラシなどの広告物
チラシなどの広告物もユーザーに認知してもらうために必要です。起業してもすぐに多くの仕事を受けられるとは限りません。仕事を獲得するには、チラシなどの広告物を利用し、認知を広げる活動が重要なのです。
ただしやみくもに広告してもあまり意味がないため、「メインとなるターゲット客」「対象となる地域」「料金体系や提供するサービス」などを明確にし、それに合わせた広告物を作成しましょう。
また広告は単発的ではなく、継続的に行うことを大切です。特にホームページの定期的な更新やSNSでの発信など、継続的な広告はユーザーに安心感を与えます。より多くの人の目に触れ、認知を高める広告ができるように心がけましょう。
まとめ
ここまで起業前に決めておくべきこと、起業前後に必要になるものについて解説しました。起業が成功するか否かは、事前の準備が大きく影響しており、その後の経営状況にも大きな差が生じます。
しかし起業前後はやることが多く、なかなか時間を確保できないものです。起業を検討している方は、できるだけ早いタイミングで事業計画書を作成し、資金調達や資金繰りの方法、雇用計画などを明確にしておくことをおすすめします。
そして事業計画書に沿った事業運営を着実に行うことが成功への近道となるでしょう。