幅広い分野でサブスクリプションの導入が広まっていますが、個人店で導入は可能なのでしょうか?すでに実施しているお店はあるので個人店でも不可能ではありませが、
課題が多く失敗する確率は企業と比べて高めです。今回は個人店での導入を成功させるために、成功・失敗事例や導入のポイントをご紹介しましょう。
近年、定額でサービスを利用できるサブスクリプションを導入する企業が増加しており、企業と消費者の両方にメリットがあることから今後も増えていくと見込まれています。
企業での導入が多いイメージがありますが、個人店で導入することは可能なのか知りたい経営者は多いでしょう。
今回は、個人店でのサブスクリプションの成功例や失敗の理由、さらに成功させるポイントや始め方について詳しくご紹介していきます。
目次
個人店でサブスクリプションを導入することは可能?
サブスクリプションの導入は可能だが、難しい部分は多い
結論から言えば、個人店でもサブスクリプションを導入できます。
しかし、企業体力が豊かな会社と比べると個人店は導入に難しい部分が多いです。
サブスクリプションは商品自体ではなく、利用する期間に対価が支払われるビジネスモデルとなっています。
継続的な利益を見込めますが、単価で考えると損をする恐れがあるでしょう。
例えば、居酒屋で月額飲み放題のサービスを実施した場合、登録ユーザーが月額料金以上の分のお酒を飲めば、消費の方が多くなるので損失を招く可能性が高いです。
飲食店の場合、初期投資が高く付きやすく、さらに在庫を持つ必要があり、利益率は高くなりにくく、客足が途絶えれば収入を得られないため高リスクな業態と位置付けられています。
体力の低い個人店となれば、サブスクリプションシステム導入のコストに負担がかかり、他にもシステム運用の代行を外注した場合、システムを悪用される可能性も考えられるでしょう。
個人店で成功しているケースもある
個人店へのサブスクリプション導入は難易度があるものの、月額でラーメンやコーヒーなどを毎日1杯食べられるサブスクリプションを展開して成功している例があります。
個人で成功しているお店は、毎月の収支バランスを上手くコントロールしていました。
例えば、六本木の会員制レストランでは、会費と会員メニューとは別のメニューの2つが収入源となっています。
別メニューではキャビアやフォアグラ、高級ワインなど高級メニューとなっており、利用するためには別途料金が必要です。
通常は月初めだと売上0の状態からスタートしますが、お店には会費という収入源があるので最低限の売上が月初めから把握できます。
最低限の売上を把握できることで、マイナスが出ない範囲での仕入れがコントロールできるようになっているのです。
収入は8割近くが会費、約2割が高級メニューとなっており、安定した収入を得られている点もお店が潰れない要素となっています。
顧客はサブスクリプションでお得感を得ているので、高額な料理の追加注文のハードルが下がっており、その環境が収入をプラスにしているのです。
工夫は必要ですが、個人店でもサブスクリプションの恩恵を受けることは可能だと言えるでしょう。
サブスクリプションで失敗してしまうのはなぜ?
初期投資の負担が大きい
サブスクリプションを運用するためには、大規模なシステムへの投資が必要です。
資本力が高ければ問題ありませんが、個人店はどうしても企業と比べて資本力が低い傾向にあります。
一般の企業でも初期投資の元を取るまで2~3年は掛かると言われているので、個人店となるとより負担が大きくなると予想できるでしょう。
初期投資にどれだけ掛かるのか把握していない状態で導入すると、想像以上の負担の大きさから失敗する可能性は高いです。
顧客が納得できる価格を設定するのが難しい
サブスクリプションは顧客がお得と感じる価格で設定しなければ魅力を感じません。
しかし、お店側の収入に影響するので極端に安い価格の設定してしまうと、経営が回らず赤字になってしまう可能性があります。
コスパの良さと収入のバランスの匙加減に苦労するでしょう。
ユーザー数を獲得するまでに時間が掛かる
実際に導入して稼動できるようになっても、すぐにたくさんのユーザーを確保できるわけではないことを理解していないと、失敗の確率は高まります。
サービスの認知を広めていく必要があるので、集客の施策を講じなければなりません。
広告を出す手段がありますが、多額の広告を出すのは個人店では難しいでしょう。
それ以外の施策を打ち出すにしても、集客ノウハウが必要となります。
集客に成功したとしても、サービスや商品の充実度が低かったり、顧客への対応が遅れたりすると不満が生まれ、早期退会を増加させる可能性が高いです。
失敗しないために…成功へとつながるサブスクリプションの始め方
顧客のターゲティングは明確に行う
サブスクリプションを成功させるためには、導入前からしっかり計画を立てていくことが重要です。
始めに、顧客のターゲティングを行っていきます。
サブスクリプションのコンセプトを決めるためには、どういう人に利用してもらいたいのか明確な人物像が必要です。
ターゲットのイメージが不明確であると、コンセプトにブレが生じて顧客ニーズに合わないサービスとなってしまうでしょう。
また、ターゲットごとに最適な集客も変わってくるため、効果的にマーケティングを施策する上でもターゲティングは重要です。
ターゲティングでは、具体的に属性を設定するようにしましょう。
性別や年齢、地域、職業など細かく決めることで、より高精度なコンテンツを作れるようになります。
豊富なプランを用意しておく
同じターゲットであっても、ユーザーニーズには若干の違いが生じます。
それぞれのニーズに対応するためには、サブスクリプションのプランを充実させると効果的です。
例えば、ロープライスプラン・ベーシックプラン・プレミアプランの3つを設けたとします。
ロープライスプランを最も安価なプランとした場合、初めてお店を利用する人がトライアル感覚で利用することが可能です。
ベーシックプランはロープライスプランよりサービス内容を少しグレードアップさせ、比較的にお手頃な価格のプランとすれば、顧客はお得感を得られるでしょう。
ヘビーユーザーであれば会費が高価でもハイグレードなサービスを受けたいと考えているので、プレミアプランが選ばれる可能性があります。
プランを充実させれば顧客獲得のトリガーになるので、現在の利用状況を分析して魅力を感じるプランを創出していきましょう。
専用サイトを制作する
ディスクリプションを実行するのであれば、新規登録やユーザー情報の変更などが行える専用サイトを制作しましょう。
お店で直接会員登録してもらう方法がありますが、サブスクリプションは定額制度となるので、クレジット
カードや銀行引き落としなど自動的に決済されるシステムの導入が必要です。
登録するにあたり細かい個人情報を記入しなければならないので、Webサイトを利用した方がスムーズに登録してもらえます。
また、専用サイトで独自のコンテンツを発信すれば、顧客の満足度を高めることが可能です。
インターネットが普及した現在はWebからの情報収集が主流であるため、充実したコンテンツを提供する専用サイトはサブスクリプションを成功させる上でも欠かせないものと言えます。
個人店だと個人で作成から運用は難しいところがあるので、マーケティングや顧客管理などに詳しいコンテンツホルダーの協力を得ると安心でしょう。
まとめ
個人店のサブスクリプション導入は課題が多く難易度は高めですが、失敗する原因を理解して、しっかり施策を立てれば成功の確率は高まります。
実際、サブスクリプションを導入する個人店は増加しており、
月初めに最低限の収入がほぼ確定する特徴を活かし、収支をコントロールして安定した経営を実現している成功ケースもあるのです。
成功するためにもターゲティングを明確にする、プランを充実させてユーザーニーズに対応することを意識して計画してください。
また、スムーズな集客や顧客満足度を高めるためにも、コンテンツが充実した専用サイトも用意しましょう。
個人店でサブスクリプションを成立させたい方は、ご紹介した事例やポイントを参考にしてみてください。
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