起業して成功する人には、考え方や人柄に特徴があります。成功を決定づける要因にはさまざまな要素があり、その要素の1つに起業した本人の性格なども含まれるのです。
そもそも起業が成功するかどうかは人それぞれであり、必ずしも成功する保証はありません。起業が成功する人の特徴や失敗する人の特徴、成功させるためのポイントなどについて紹介します。
そもそも起業とは?
そもそも起業とはどのようなものを意味するのでしょうか。まずは「起業」とは何か、概念について解説しましょう。起業するタイミングもあわせて紹介しますので、起業を考えている人は参考にしてください。
事業を起こしサービスを生み出すこと
「もっとこうなら便利に使えるのに」や「こんなサービスがあれば楽になるのに」といったアイデアは、誰しも一度は思いついたことがあるのではないでしょうか。そのアイデアや事業を通じて実際のサービスや商品として生み出すことが「起業」です。
起業のタイミング
起業に適したタイミングは、事業をしていくにあたり最低限知っておくべき知識が身につき、資金源ができたときです。起業自体はお金がほとんどない状態でもできます。
しかし、開業資金や運転資金が乏しく、経営方法や事業戦略などの経営に関する知識が全くない状態では、起業のための準備ができているとはいえません。これらについて必要最低限の知識がついたときが、起業するタイミングといえるでしょう。
また、今このタイミングでしか需要のない商品、サービスも存在します。なるべく早くシェアの獲得に動かなければならない状況に気づいたときも、起業のタイミングであるといってもいいでしょう。
起業を成功に導く人の5つの特徴
成功する起業家には共通する特徴が見られます。起業自体はできても、事業を成功に導ける人は少ないのが現実です。では成功する人には、どのような特徴があるのでしょうか。一つずつ解説しますので、自分と照らし合わせてみてください。
紹介する5つの特徴すべてが備わっていなければ、成功できないわけではありません。しかし、自分の弱点や課題があるなら、失敗のリスクを軽減するためにも意識的に変えていくことをおすすめします。
1.考え方がシンプル
成功する人が持つ1つ目の特徴として、物事をシンプルに考えていることが挙げられます。シンプルな考え方とは、問題や課題を単純な要素に分けて、個別に考えるということです。
売上が思うように伸びないという問題を例にご説明しましょう。売上の問題には、商品や市場、価格の問題など、性質や重要度が異なる要素が絡み合っており、これらの問題を同時に解決するのは困難です。しかし、各問題を1つずつ解決するのはそれほど難しくありません。
ここで、起業に失敗する人はさまざまな要素について同時に考え、複合的な観点から解決策を探ろうとします。一方、起業を成功に導く経営者は、複雑な事情が絡み合っているときこそ、1つずつ答えを出そうとします。
そして、すべての答えが出たところで、各々の重要性や関連性について考え、最終的な答えを求めるのです。時間がかかる工程のように思えますが、この方法の方が時間も節約でき、合理的で整合性がとれた解決策が得られます。
成功する人は、このシンプルに考えるという思考が頭の中に入っているため、難なくシンプルな考え方を実践できるのでしょう。
2.素直で誠実な人柄である
次にあげる特徴は、素直で誠実であることです。起業した以上、自分の行動には常に責任が伴います。今まではなぁなぁで済ませたことも、経営上で起こるすべての責任は経営者が取らなければなりません。
課題や障害に対して「どうしたらこの失敗を乗り越えられえるのか」と前向きにとらえ、過ちは素直に認める姿勢こそが事業を成功へと導きます。
3.失敗から立ち直るまでが早い
起業に成功する人には、失敗した後の立ち直りが早いという特徴が見られます。事業をしていくにあたり、一度も失敗をしない人はいません。むしろ、失敗すること自体はよくあることです。
大切なのは失敗をしないことではなく、失敗した事実をしっかりと受け止め、失敗に至った原因を正しく分析し、次に活かすことでしょう。大きな失敗をしたとしても、失敗にとらわれるのではなく、失敗から得た学びを次に活かせる人こそが起業家に向いています。
つまり、成功する起業家は、次に活かすためにも、いち早く立ち直り、前に進んでいるのです。起業を成功に導きたいのであれば、常日頃から失敗は次のステップにつながるものと捉えられるようになりましょう。
4.説得力がある
起業を成功させる人は、話に説得力があります。相手に理解してもらえるような、わかりやすい説得ができなければ、投資家や金融機関、取引先、従業員からの理解を得られません。つまり、円滑な経営にはコミュニケーション力が欠かせないということです。
取引先に「自分の事業がどのようなものか」「どんなことを実現していくのか」「どのようなメリットがあるのか」を理解してもらえなければ、契約につなげることができません。成功する人の話は、要点がまとまっているだけでなく、相手が理解しやすい言葉を選んでいます。
説得力がある言葉選びをするためには、豊富な知識や表現力が必要です。成功する人は知識や表現力を得るために日々努力をしていることも覚えておきましょう。
5.勉強家や読書家である
起業に成功する人は、おしなべて努力家であり、勉強や読書の時間を惜しまないタイプが多いです。
起業してから事業が軌道に乗るまでには、多くの失敗を経験することもあるでしょう。問題を乗り越えるには、正しい対策を講じなくてはならず、そのためには専門的な知識が必要です。
成功する人は、この知識を習得のための勉強や読書を欠かすことはありません。勉強や読書によって日々成長し続けようとする気持ちが大切だといえるでしょう。
起業で失敗する人の5つの特徴
起業に失敗する人には、全責任を負う覚悟がない、お金に対してルーズ、数字に鈍感、人に任せられずすべて自分でやろうするなどの特徴があります。もちろん、特徴に該当するからといって、必ず起業に失敗するわけではありません。
しかし、これらの特徴を持っている自覚がある人は、少しずつ直したほうが成功に近づきます。ここではどのような人が失敗しやすいのか、どうすれば改善されるのかを解説しましょう。
1.責任を負うだけの覚悟がない
何か問題が生じた際に、自らが責任を負おうとしない人は起業で失敗しやすいです。特に、上手くいかないことを周囲の人や環境に要因があると考え、自分には関係がないと考えるタイプの人は、起業をしても失敗する可能性が高いでしょう。
事業を興すということは、すべての責任は自分であるということです。問題が起こるたびに、責任から逃れようと責任を転嫁していては、失敗の本質的な原因に気づけません。周囲の信用を失うだけです。
根本的な原因に気づけないまま事業を継続しても、正しい解決方法は見つけられないため同じ失敗を繰り返し、やがて事業の失敗へとつながるでしょう。
起業する以上、「自分がすべての責任がとる」という気持ちが必要です。他責ではなく、自責として受け止めるだけの覚悟が起業する人には必要といえるでしょう。
2.お金に対して不誠実
日ごろからお金に対してだらしがなく、不誠実な人も起業に失敗する人の特徴です。浪費や借金がくせになっている人は特に注意しなければなりません。
起業後は自分でお金の管理をすることになります。事業をするなら、お金はしっかりと管理しなくてはならないのですが、お金にルーズな人は、自分のお金と事業のお金が一緒になっていること多いです。
生活費と同じような感覚で会社のお金を管理していると、明確に収支を把握できないため、いずれは資金ショートを起こすかもしれません。売上を伸ばし、利益を最大化するのが経営者の仕事です。公私の区別はしっかりとつけるようにしましょう。
3.数字に対して鈍感
利益や顧客数などの数字に鈍感な人も起業に失敗しやすいです。起業して事業を拡大するなら、常に利益を確保する必要があります。
経営者には、利益を確実に確保するため、数字から経営状況を正しく読み取り、適切な経営判断を下すことが求められます。しかし、数字に鈍感な人は、赤字を出していることさえ気づかず、気づいたときには軌道修正が困難になり、廃業に追い込まれるでしょう。
経営を維持し、さらに発展させるには利益が必要です。これから起業を検討する人で、「数字がどうも苦手」という場合はすぐにでも勉強を始めましょう。今は苦手でも、数字について学ぶことで身に付きます。
4.他人に任せられない
自分の仕事を他人に任せられない人も起業で失敗しやすいです。経営をしていく以上、すべての仕事を自分1人で行うのは現実的ではありません。
経理処理や事務処理、お客様対応など経営にはさまざまな仕事があります。これらを自分だけでやろうとすれば、肝心な売り上げにつながる営業活動やマーケティング活動に手が付かなくなるでしょう。
なんでも自分で抱え込んでしまう人は時間を効率的に使えないため、結果的に起業の失敗につながるのです。従業員を雇用するだけでなく、司法書士や弁護人、税理士といった専門家に任せる方法もあります。
経営者自身がいかに経営に向き合う時間を確保できるかで、成功の可否が決まるといっても過言ではありません。
5.起業の動機が曖昧
起業の動機が曖昧な人も失敗しやすい人といえるでしょう。「自分の持つアイデアをより多くの人に提供したい」という強い意志で起業する人もいれば、特に定まった動機がないまま起業する人もいます。
「なんとなく社長になりたいから」「簡単に稼げそうだから」といった曖昧な動機での起業は、壁にぶつかった際に事業の核となる目的がないため脆いのです。
起業にあたっては、「なぜ起業をしようと思ったのか、何が起業の目的だったか」という明確な動機が欠かせません。起業を検討しているものの、動機が曖昧であるという場合は、しっかりと時間をかけて起業の動機について考えましょう。
起業を成功させるための3つポイント
起業を成功させるには、起業の目的を明確にし、需要を知り、場合によっては変化していくことも必要です。また、経費は必要最低限に抑えなければなりません。成功させる重要なポイントについて、詳しく解説します。
1.なぜ起業するのかを明確にする
事業を成功させたいのであれば、起業前に「なぜ起業するのか」、目的を明確にしておきましょう。「目標の実現のために起業するのだ!」という強い意志が成功へと導きます。
起業の目的を追求すると、具体的に今何をするべきかが見えてくるため、自身が進むべき方向が明らかになります。どんな失敗や挫折があっても、軸となる起業の理由や創業の精神があれば、きっと乗り越えられるでしょう。
2.ユーザーのニーズを把握して変化する
起業で成功するには、日々変化するユーザーのニーズを知り、変化することも必要です。自分では画期的と感じる商品やサービスも、それを見たユーザーにとって必要であると認められ、一定の需要がなければ事業としては成り立ちません。
世の中の状況やユーザーのニーズを照らし合わせながら、自分の会社に求められるものを常に考えましょう。もし既存事業ではニーズを満たせないようであれば、事業の方向転換が求められます。そのためにもニーズや競合、市場の動向などの関する日々のリサーチが欠かせません。
3.経費を最小限に抑える
事業を成功させるには、必要経費は最小限に抑えることも必要です。特に店舗を構えた起業の場合、不動産の契約や設備代、仕入れといった費用がかさみ、経費が利益を圧迫しかねません。
起業の成功確立を上げるには、経費のかからないビジネスモデルを模索することも必要です。起業当初は先輩経営者に相談しながら、経費を抑える方法を身に付けましょう。経費を抑えながら事業をすることは、起業成功につながる重要なポイントの1つです。
まとめ
起業が成功する人の特徴や失敗する人の特徴、成功させるためのポイントについて紹介しました。成功する人の特徴を持ち合わせていないと成功できないわけではありません。しかし、もし、失敗する人の特徴に当てはまった部分があれば、自分自身を見直しましょう。
起業に成功する人の特徴には、成功のために必要なポイントが詰まっています。自分に不足している要素は何かを考え、努力で身につけられるものは取り入れていくようにしましょう。
起業するのであれば、成功できるように自分自身で努力していくことが大切です。起業を検討している人は、今回紹介した内容を参考に、起業の成功確率を上げられるように頑張りましょう。