カクテルパーティー効果とは、多人数が集まるなどして周囲が雑音で騒がしくても、
自分の意識している人の声やキーワードなどはきちんと聞き取れる現象のことをいいます。
なぜそんなことが可能かというと、人間の聴覚や脳のもつ特殊な能力が関係しています。
ビジネスでも活用できる心理的効果であるカクテルパーティー効果について詳しく紹介していきます。営業やコピーライティングなど具体的な活用方法についても紹介しています
商品を購入してもらったりサービスに加入してもらう場合、その商品やサービスが自分にとって必要なものだと感じてもらわなくてはいけません。
趣味や嗜好品として楽しむものであれば話は変わってきますが、それ以外の商品やサービスは、ユーザーに自分にとって必要なものだと認識させなくては購入してもらったりサービスに加入してもらうことは不可能です。
ただ、数ある商品やサービスの中から自社の商品やサービスに必要性を感じてもらい選んでもらうというのはなかなか難しいものです。
実際、そういった点でマーケティングやセールスに苦労している方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、ユーザーに自社の商品やサービスの必要性を感じてもらい、多くの商品やサービスの中から選んでもらうために有効な、
「カクテルパーティー効果」について詳しく紹介していきたいと思います。
マーケティング活動やセールス活動の精度をもっとあげていきたいと考えている企業や担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
カクテルパーティー効果とは
まず始めに、カクテルパーティー効果の概要についてみていきましょう。
例えばパーティーで、大人数が話していても一緒に会話している相手の声は聞き取ることができたり、
学校や職場などのガヤガヤしたところにいる際、自分について誰かが話していることだけがよく聞こえるという経験はないでしょうか?
実はこれらの感覚は、全てカクテルパーティー効果によって引き起こされるものなのです。
人は周囲にある音声などのあらゆる情報を、無意識に選択しています。
カクテルパーティー効果は、騒がしい場所の中でも自分に関連する音声情報だけは正確に聞き取れたり、
雑多な情報の中でも自分に関連するものだけには目が留まったりするという人間に備わった心理効果なんです。
カクテルパーティー効果はなぜ発生してしまうのか
騒がしい中で自分に関する音声だけをピックアップするのは不可能だと考えるのが普通でしょう。
しかし、私たち人間にはそれができてしまうわけです。
これには、私たちの脳が関係しています。
私たちの脳は非常に高性能ですが、処理できる量には限界があります。
そのため、入ってくる情報を意図的に遮断しています。
しかし、自分の名前など、自分自身に関係があると思われる情報は自分にとって重要な情報であると認識するため、遮断せずに受け入れようとするわけです。
そして、これによって発生するのがカクテルパーティー効果というわけです。
カクテルパーティー効果の実験
カクテルパーティー効果は、1953年にイギリスの心理学者コリン・チェリー氏によって提唱されました。ここでは、彼が行った実験を紹介します。
左右別々の音声の流れるヘッドホンをした被験者は、片方の音声に集中するように指示を受けます。
すると、意識を向けていた方の音声は覚えており、集中していない方の音声の内容は理解していなかったのです。
また意識していない耳の音声に、被験者の名前を流すと、意識をむけていなくてもその単語を認識し、意識を変えることができました。
この結果から、人は意識を向けた情報を優先して選択し、それ以外の情報を遮断していることが判明しました。
さらに、自分に関連する情報は無意識的に選択することができることも分かりました。
情報選択は視覚でも行われている
情報を選択して処理することは、聴覚だけではなく視覚でも行われています。
例えば、何気なくネットサーフィンをしている際、
「〇〇年代男性におすすめの…」
「〇〇でお悩みの女性に…」
など、自分に当てはまるテキストのみがよく目に入ってくるような感覚を感じたことはありませんか?
または、車が欲しいと考えるようになってから、車の広告や欲しい車種がよく目にとまるようになったという経験はありませんか。
上記のような視覚の情報選択の現象は、「カラーバス効果」と呼ばれています。
カクテルパーティー効果のビジネスでの活用方法と活用するときのポイント
多くの情報の中から自分に関係ある情報だけをピックアップして認識するカクテルパーティー効果ですが、
実はカクテルパーティー効果はビジネスに活用することもできる心理的効果でもあるんです。
そこでここからは、カクテルパーティー効果をビジネスで活用する方法や実際に活用するときのポイントについてみていきたいと思います。
営業に活用する
カクテルパーティー効果をビジネスで活用する場合、効果を発揮してくれる代表的な場面の一つが「営業」です。
営業活動でカクテルパーティー効果を活用していく場合の活用方法と活用するときのポイントについてみていきましょう。
1, 意識的に名前を呼んで自分ごとだと認識してもらう
営業中に商談をおこなう場合、会話の中に相手の名前を自然な形でできるだけ多く取り入れていくようにしましょう。
というのも、カクテルパーティー効果を発揮するためには、その話や物事を自分に関係のある話や物事だと認識してもらう必要があるからです。
ですので、会話の中で相手の名前を頻繁に差し込んでいき、今しているこの話は自分に関係のある話なんだなと気づかせてあげるというわけです。
この方法を使えば、だんだんと相手が話に興味を持ち始めるので、よりスムーズに商談が進めていけるようになりますよ。
2, ターゲットを絞り込む
営業活動でカクテルパーティー効果を活用していく場合、とにかく重要になってくるのがターゲットの絞り込みです。
興味のない相手に、一般的な呼びかけや宣伝文句を伝えても効果は薄いでしょう。
自分たちに関係のあるものだと思えないとカクテルパーティー効果は発揮されないからです。
そのため、単に「キャンペーン実施中」というよりも、「都内に引っ越しをお考えの方、今だけキャンペーン実施中」「新社会人の方へ、特別キャンペーン開催中」というようにターゲットを絞って売り込むことが大切になります。
しっかりとターゲットを絞り込み、自分に関係のある製品やサービスだと感じてもらえるよう営業をかけられるかどうかがとても重要になってくるわけです。
コピーライティングに活用する
コピーライティングもカクテルパーティー効果を活用できる代表的なビジネスシーンの一つです。
コピーライティングでカクテルパーティー効果を活用していく場合の活用方法と活用するときのポイントについてみていきましょう。
1共感させて自分ごとだと認識してもらう
コピーライティングは、相手と対面しているわけではありませんし会話ではなく文字でのやり取りになるので、対話での商談よりも物やサービスを売るのが難しくなってしまいます。
そんな中でカクテルパーティー効果を発生させ活用していくためには、とにかく相手に共感してもらわなくてはいけません。
ですので、相手と会話をすることを意識したライティングをおこなっていきましょう。
例えば、あなたがニキビの症状を和らげてくれる化粧水を販売している場合、
「なかなか治らないニキビでお悩みではありませんか?」
「〇〇も試したし〇〇も試した。それでも治らないニキビに頭を抱えていませんか?」
というように、相手が悩んでいるであろうことに対して疑問を投げかけ、「そうそう、そうなのよ!」と共感してもらいましょう。
そうすると、そのコピーを読んでいるユーザーはこのコピーが自分と関係のあるものなんだと認識し始めます。
自分に関係のあるものなんだと認識すると、カクテルパーティー効果が発生し、後は自然と読み進めてくれるようになります。
このように、ユーザーの反応を得るのが難しいコピーライティングの場合でも、ユーザーに自分ごとだと認識してもらうことで反応率が大きく変わってくるので、
カクテルパーティー効果を上手く発生させることができるよう、ユーザーに共感してもらえるようなライティングをおこなっていくようにしましょう。
まとめ
マーケティング活動やセールス活動の精度をもっと高めていきたいと考えている企業や担当者の方向けに、
マーケティングやセールスに活用できる心理効果の一つである、「カクテルパーティー効果」について詳しく紹介してきました。
今回紹介してきたように、カクテルパーティー効果は私たちに備わっている心理的効果の一つで、
それを企業のマーケティング活動やセールス活動に上手く活かすことができれば、大きな成果を得ることができるようになります。
その活用方法はさまざまですが、主に営業をおこなうときや
商品ページやランディングページのコピーライティングに活用することができるので、活用できそうであればどんどん活用していくようにしましょう。
カクテルパーティー効果を活用することで顧客やユーザーに自社の商品やサービスが自分にとって必要なものであると認識させることができるようになるので、より商品を購入してもらいやすくなったり、サービスに加入してもらいやすくなります。
また、ビジネスで活用できる心理学に関しては、下記のページにまとめてありますので、参考にしてください。
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