周囲の人と同じ意見や行動だと安心し、逆に自分だけが周囲と違うと不安を感じる心理状態の事です。
心理学的な効果の一つである同調現象について詳しく解説していきます。同調現象はマーケティングに活用できる心理効果ですので、マーケティングでの活用方法についてもあわせて紹介していますよ。
テレビや雑誌などで、
「最近〇〇が大ヒットしています!」
と紹介されるとそれまで気になっていなかったものが欲しくなってしまったり、気になっていなかったサービスを体験してみたくなったりすることはありませんか?
もちろん流行に流されたくないという方もいるかと思いますが、多くの人がついつい流行っているものを追いかけてしまうのではないでしょうか?
実はこの現象には「同調現象」という人間の心理が関係しているのですが、同調現象はマーケティングやセールスに活用できる心理としても広く知られています。
つまり、マーケティング活動やセールス活動に活用していかなくてはもったいない人間心理だということです。
そこでこの記事では、同調現象について詳しく紹介していきたいと思います。
もっと商品を売ったりサービスへの加入者を増やしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
同調現象とは

企業のマーケティングやセールスに活用される人間心理として定番の同調現象ですが、同調現象とはどういった人間心理なのでしょうか?
まずは同調現象の概要についてみていきましょう。
同調現象とは、私たち人間に備わっている心理の一つで、ついつい周りの意見に合わせてしまうという心理です。
私たち人間は周りが言っていることに対して同意することで安心し、周りと同じ行動をとることで安心するという傾向があります。
また、それとは逆に、周りが言っていることとは異なる意見に対して違和感や嫌悪感を抱いてしまったり、周りの行動に合わせないと不安を感じてしまうようになっています。
これが、同調現象というわけです。
マーケティングの定番である「バンドワゴン効果」は同調現象の一部
周りに合わせることで安心感を得ようとする人間の心理の一つである同調心理ですが、似たような心理効果の一つに「バンドワゴン効果」というものがあります。
バンドワゴン効果とは、周りの指示が多ければ多いほどその指示されている事柄がより絶対的なものになっていくという現象を指した言葉で、行動心理学で用いられる用語の一つです。
つまり、周りが良いと言っていることに対しては良いと感じ周りが悪いと言っていることに対しては悪いと感じる、周りが良いと言っているものについては良いものだと感じ周りが悪いと言っているものについては悪いものだと感じるということです。
これは同調現象そのものと言った感じですがそれもそのはずで、バンドワゴン効果は同調現象の一部なんです。
そのため、同調現象のことを深く理解することができれば、自然とバンドワゴン効果をマーケティングやセールスに活用できるようになるわけです。
同調現象をマーケティングやセールスに活用する方法

私たち人間に備わっている心理の一つである同調現象ですが、実際に同調現象をマーケティングやセールスに活用していく場合、どのようにして活用していけばいいのでしょうか?
同調現象をマーケティングやセールスに活用する方法として定番の4つの方法についてみていきましょう。
もし自社のマーケティング活動やセールス活動に取り入れられそうなものがあれば、ぜひ積極的に取り入れてみてくださいね。
1. 口コミやレビューを掲載する
マーケティングやセールスに同調現象を活用する方法として最もオーソドックスな方法と言えるのが、口コミやレビューを掲載する方法です。
ネット通販で何かしらの商品を購入したりサービスを利用しようとする場合、今や口コミやレビューを参考にするのが当たり前になってきています。
また、実店舗で購入するにしても、一旦口コミやレビューを参考にしてから購入するかどうかを決めるという人も多いでしょう。
この行動には、多くの人が指示している商品を選べば間違いないという同調現象が働いています。
よって、商品ページやランディングページなどにユーザーの口コミやレビューを掲載することで安心感をあたえ、より購入してもらいやすくすることができるようになるわけです。
2. 多くのユーザーが選んでいることを強調する
多くのユーザーから支持されている商品やサービスであることを示してあげるのも、マーケティングやセールスに同調現象を活用していく方法として定番の方法の一つです。
商品ページやランディングページ、商品のパッケージやチラシなどに、
「今最も売れている〇〇(商品ジャンルなど)」
「〇〇%の人が選んでいます」
という文言を記載し、この商品やサービスは多くのユーザーから選ばれている商品やサービスであるということを示してあげることで、
みんなが選んでいるならこれを選べばいいんだと感じさせるわけですね。
3. 所持していない・利用していないのがありえないことだと錯覚させる
少し手荒い方法ではありますが、所持していない・利用していないのがあたかもありえないことだと錯覚させるというのも、有効な同調現象の活用方法の一つです。
例えば、先ほど紹介した、「〇〇%の人が選んでいます」という文言も、
「〇〇%の人が持っている商品なのに持っていないのはありえない」
「〇〇%の人が利用しているサービスなのに利用していないのはありえない」
という同調現象の不安を感じるという要素を活用するタイプの文言になります。
同調現象の概要で紹介したように、同調現象には周りに合わせないと不安になるという側面もあり、この負の側面の方がより強く働くため、上手く活用することができれば、より大きな効果を発揮してくれますよ。
4. ランキングを作り1位の商品・サービスとして展開する
ランキングを作り、1位の商品・サービスとして紹介するというのも同調現象の活用方法の一つです。
ランキングで1位を獲得しているということは、より多くのユーザーから選ばれている商品・サービスということになるため、
同調現象が働いて、よりユーザーに選ばれやすくなります。
ただしこの方法を活用する場合は、根拠やデータもなしにランキングを作成して自社の商品やサービスを1位に据えたりするとステマになってしまうので、
できれば根拠やデータを用意した上でランキングを作成するようにしましょう。
同調現象をマーケティングやセールスに活用する上で意識しておきたいポイント

同調現象をマーケティングやセールスに活用することで商品やサービスの売れ行きを伸ばしていくことができるようになるわけですが、
実際に同調現象をマーケティングやセールスに活用していく場合は根拠があるとより信頼されやすくなります。
例えば、ユーザーにアンケートを取ってみたり、小売店での売上データを元にしてみたりといった感じです。
逆に根拠やデータがないとステマ感が出てしまうので気をつけましょう。
また、同調現象の活用のし過ぎにも注意が必要です。
いくら効果の高いものだとは言えあまりにもアピールし過ぎると、胡散臭さが出てしまったり、ユーザーがうんざりしてしまったりします。
ですので、過剰なアピールになってしまわないよう気をつけましょう。
まとめ
「もっと商品を売りたい!」
「サービスへの加入者を増やしたい!」
と考えている方のために、ぜひ活用してほしい人間心理である同調現象について詳しく紹介してきました。
今回紹介してきたように、私たち人間には周りに合わせたいという心理や合わせないと不安という心理が備わっています。
よく流行りに乗っかることに対して「ミーハーだ」「にわかだ」とバカにしたような発言をする人がいますが、
これは本来人間に備わっている心理で本能のようなものなので、ミーハーでもにわかでもなくごくごく自然なことなんですね。
むしろマーケティング活動やセールス活動で積極的に活用されるほど定番の人間心理なので、マーケティング担当者やセールス担当者は、どんどん活用していきましょう。
活用する際はこの記事で紹介させてもらった4つの活用法を参考に、活用する際に意識するべきポイントとしてあげさせてもらったのポイントに注意しながら活用するようにしてみてください。
また、ビジネスで活用できる心理学に関しては、下記のページにまとめてありますので、参考にしてください。