マッチングリスク意識とは、購入する前に未来を予測して起きる不安な心理状態のことを言います。
マッチングリスク意識について詳しく解説しています。商品の購入やサービスへの加入への大きな壁となるマッチングリスク意識の取り除き方についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
何かしらの商品を購入する場合、欲しい商品であるにも関わらず、
「本当に買っていいのかな?」
「本当にこの商品でいいのかな?」
という不安が頭をよぎり、なかなか購入することができないという経験はありませんか?
実はこの現象には「マッチングリスク意識」という名前がついていて、商品を購入する際に誰しもが感じる可能性のある心理の一つなんです。
そのため、何かしらの商品やサービスを売る場合には、いかに消費者のマッチングリスクを取り除いてあげられるかがキーになってきます。
そこでこの記事では、そんなマッチングリスク意識について詳しく紹介していきたいと思います。
商品やサービスを売っていく上でとても重要なポイントになってくるので、ビジネスをおこなっている方はぜひチェックしてみてください。
目次
マッチングリスク意識とは
マッチングリスク意識は、消費者が商品を購入したりお金を出してサービスを利用したりする際に働く心理学的な深層心理を指した言葉です。
例えば、ネット通販などで洋服を購入する際、
「似合わなかったらどうしよう」
「サイズが合わなかったらどうしよう」
と考えてしまうことがあるかと思いますが、これがマッチングリスク意識です。
マッチングリスク意識は初めて購入する商品や初めて体験するサービスに対して引き起こされることがほとんどです。
このマッチングリスク意識は、消費者が商品を購入したりサービスを利用したりするのを妨げる要因の一つとなってしまうため、
ビジネスをおこなっていく場合は、「消費者のマッチングリスク意識をどう取り除いてあげるか」がとても重要になってきます。
マッチングリスク意識が影響しやすい商品
マッチングリスク意識はどんな商品や価格でも引き起こされる現象ですが、特に影響を受けやすい商品・サービスがあります。
消費者がマッチングリスク意識を感じやすい一つ目の商品は、初めて購入する場合です。一度でも購入したことがあれば問題ありませんが、初めて購入する場合や、これまで訪れたことのないお店ではマッチングリスク意識が強くなります。
またマッチングリスク意識を感じやすい二つ目の商品は、高額な商品です。マッチングリスク意識は、100円から1000万円の商品まで、価格に関係なく引き起こるとされています。しかし、特に高額な商品で大きく影響を受けます。
上記のような商品で、消費者はマッチングリスク意識によりお金を払う価値があるかどうかの意思決定に強く影響を受けます。
そのため、いかにして消費者のマッチングリスク意識を減少させるかが大切になります。
マッチングリスク意識を取り除く9つのマーケティング手法
消費者が商品を購入したりお金を支払ってサービスを利用していく場合の妨げになってしまうマッチングリスク意識ですが、そんな厄介なマッチングリスク意識はどのようにして取り除いていけばいいのでしょうか?
実はマッチングリスク意識を取り除く方法にはさまざまな方法があり、多くの企業はこれらの方法を上手く使って消費者のマッチングリスク意識を取り除いています。
そこでここからは、消費者のマッチングリスク意識を取り除く9つの施策についてみていきたいと思います。
1. 時間をかけて丁寧に説明する
消費者のマッチングリスク意識を取り除いてあげたいのであれば、商品やサービスについて時間をかけて丁寧に説明してあげることがとても重要になってきます。
商品やサービスの概要、特徴、どういったメリットがあってどういったデメリットがあるのか、料金について、商品やサービスに関する疑問や質問など、説明するべきことはたくさんあります。
実際に消費者と接することができる場合はもちろんですが、ウェブ上で販売して上げる場合にもこの意識を持つことはとても重要です。
ネット通販の大手である楽天はページが長過ぎるとして度々批判されていますが、
あれは実際に商品を手に取って確認することができないネット通販において、消費者のマッチングリスク意識をなくすためにおこなわれている施策の一つです。
消費者の不安をなくすためには、あれだけの情報量が必要になってくるということですね。
2. 客観的な意見を提示する
マッチングリスク意識を取り除いていく上で、レビューや口コミというのはとても有効的な方法の一つになります。
例えば、健康食品などを販売している通販番組を見ていると実際にその商品を利用している人の体験談が必ず流されますが、これもマッチングリスク意識を取り除く施策の一つです。
ウェブで商品やサービスを販売する場合も、お客様の声としてユーザーの声を入れることでマッチングリスク意識を取り除いてあげることができるようになっています。
3. 試供品を提供する
試供品を提供するというにもマッチングリスク意識を取り除く有効な施策の一つです。
例え一度であってもその商品を利用することができれば、その商品を購入する上での不安はほとんど解消されてしまいます。
そのため、通販番組やデパートの化粧品売場では、積極的に試供品を提供しているわけです。
4. 無料の体験期間を設ける
無料の体験期間を設けてあげるというのも、マッチングリスク意識を取り除く上で有効な施策の一つになります。
商品を販売する場合であれば試供品を用意してマッチングリスク意識を取り除いてあげることができますが、サービスの場合だと試供品を用意することができません。
そのため、無料体験期間を用意して無料でサービスを体験してもらうことで、マッチングリスク意識を取り除いてあげることができるようになるわけです。
この方法は、動画配信サービスや音楽配信サービスなど、インターネットを通じて利用できるサービスの多くに取り入れられています。
5. 無料の部分を設ける
サービスを販売している場合、一部無料の部分を設けてあげるというのもマッチングリスク意識を取り除く有効な手段の一つになります。
例えば、基本的な機能は無料で利用できるものの、より機能を充実させたい場合には有料になるという形で商品を展開していき、マッチングリスク意識を取り除いていくわけです。
この方法には、無料で利用できる機能や範囲を制限する方法と、機能が制限された無料版と機能が充実した有料版を儲ける方法とがあります。
6. 返品を受け付ける
商品の返品を受け付けるというのもマッチングリスク意識を回避する上で有効な施策の一つです。
先ほども紹介した通り、ネットで洋服を購入する場合、イメージと違うといったリスクやサイズが合わないといったリスクが伴います。
そのリスクを返品対応という形で取り除いてあげることがでマッチングリスク意識を感じさせないようにしてあげるわけです。
業種にもよりますが、ほとんどの場合、返品によるリスクよりも売上がアップするメリットの方が大きくなります。
7. 返金保証サービスを設ける
返金保証サービスを設けるというのも、非常に有効な施策の一つになります。
これは高額な商品であればあるほど効いてくる施策です。
返金保証のサービスと言えば、ライザップが有名ですね。
ライザップを利用するには数十万円ほどかかりますが、
「効果が実感できない場合は返金します」
と宣言することで、消費者のマッチングリスク意識を上手く取り除くことに成功したサービスの一つです。
8. 長期保証などのアフターサービスを充実させる
アフターサービスを充実させるというのもマッチングリスク意識を取り除く上で有効になる施策の一つです。
パソコンなどの高額商品を購入する場合、
「壊れたらどうしよう…」
という心理が働きますが、長期保証などのアフターサービスを充実させることで、その心配をなくすことができるようになります。
9. カスタマーサポートを設ける
カスタマーサービスを設けるというのもマッチングリスク意識を取り除く有効な手段の一つです。
カスタマーサポートの体制が整っていることで消費者を安心させることができ、「何かあっても大丈夫」と感じさせることができるようになります。
まとめ
商品やサービスを販売している方のために、消費者意識の一つであるマッチングリスク意識について詳しく紹介してきました。
今回紹介してきたように、消費者が商品を購入したりサービスに加入しようとする場合、かなりの確率でマッチングリスク意識が働きます。
そのため、「いかに消費者のマッチングリスク意識を取り除いてあげられるか」が重要になってくるということを覚えておきましょう。
マッチングリスク意識の取り除き方についてはこの記事で紹介した9つの方法がとても有効な方法になるので、あなたが販売している商品や展開しているサービスと相性が良いと思われる方法を取り入れてみてください。
マッチングリスク意識を取り除くことができれば、きっとおもしろいように売上はアップしていきます。
また、ビジネスで活用できる心理学に関しては、下記のページにまとめてありますので、参考にしてください。