「夢をかなえるゾウ」という本をご存知でしょうか。2007年に発行された水野敬也著書のベストセラーです。
2012年に「夢をかなえるゾウ2ガネーシャと貧乏神」、2014年には「夢をかなえるゾウ3ブラックガネーシャの教え」が発行されています。
自己啓発本で、これまでドラマ化、アニメ化、舞台化までされている人気の書籍です。
この記事では、夢をかなえるゾウを知らない、どんな内容なの?という人のために、この本が何を世に伝えたいのか?などの疑問にお答えします。
・「夢をかなえるゾウ」のあらすじ
・「ガネーシャ」の課題とは
・誰でもできる「当たり前」を行動することの難しさ
・夢をかなえるゾウの面白さ
・夢をかなえるゾウが本当に伝えたいこと
目次
「夢をかなえるゾウ」のあらすじ
「自分の人生を変えたい」といつも思っているけど、何をやっても3日坊主の性格が災いして失敗続きの主人公サラリーマン。
そんなとき会社の先輩が開いたパーティーに出席した彼は、有名人やアイドルの友達が談笑している姿を見て、自分とは全く違う世界との差を痛感します。
その夜、泥酔した彼はインド旅行で購入した置物に「人生を変えたい」と泣き叫ぶのです。
次の日の朝、枕元に関西弁を話す謎の生き物「ガネーシャ」が。このインドの神様であるゾウ「「ガネーシャ」が主人公が成功するための教えを、課題を与えて説いていく、というお話です。
「ガネーシャ」の課題

作中では、ガネーシャが課題を与える前に主人公と契約が結ばれ課題を達成できない場合、主人公の「希望」はガネーシャにとられてしまいます。
そして夢のない一生を終えるという設定です。どんな課題なのか、その一部を紹介するとともに、課題の意図や意味を考察してみました。
トイレを掃除する
これは有名な「松下幸之助」(パナソニック創業者)のエピソードで、「掃除の重要性」を人材教育に活用していたのはよく知られ、自らトイレ掃除の手本を従業員に示していました。
他にも芸能人やスポーツ選手、大手の社長など、トイレ掃除を大事な習慣にしている人は多く、その誰もが現在「一流」として活躍しているのです。
ガネーシャはこう言っています。
「トイレを掃除する、ちゅうことはやな、1番汚いところを掃除するっちゅうことや。そんなもん誰かてやりたないやろ。けどな、人がやりたがらんことやるからこそ、それが一番喜ばれるんや。1番人に頼みたいことやから、そこに価値が生まれるんや」
キレイなトイレは気持ちがいいものです。
「トイレの神様」が本当にいるかは分かりませんが、いたら喜んでご褒美をくれるのかも知れませんね。
コンビニでお釣りを募金する
「Give and Take」と言いますが、Giveばかりの人は段々人が遠のいていきますよね。
コンビニのレジ横には何かしらの募金箱が必ずと言っていいほど設置してあります。金額はいくらでも構いません。「自ら人に与える」ということで、世の中に物が回る流れを作るのです。
ガネーシャはこう言っています
「偉大な仕事する人間はな、マジで世の中よくしたいて純粋に思て生きてんねんで。せやからその分、でっかいお金、流れ込んでくんねん。お金だけやない。人から愛されたり、幸せで満たされたり、もういっぱいええもんが流れてくんねん。」
自分のことしか考えずに、人のこと、世の中のことを考え行動することで、回りまわって自分に良いことがかえってくる、ということではないでしょうか。
明日の準備をする
これは普段から実行している人も多くいると思いますが、何も考えずに実行することと事前にある程度の準備をしてから行動する人とでは、最終的な結果に違いがあるというものです。
ガネーシャはこう言っています。
「一流の人間はどんな状況でも常に結果出すから一流なんや。常に結果出すにはな、普通に考えられてるよりずっと綿密な準備がいるねん。ええか?ワシは明日の富士急ハイランドのスケジューリングを通してそのことを自分に教えたってんねや。」
結果を出すためにはどんなことが必要なのかを察し、それに向かって準備できる人が着実に成功をつかみ取ることができるのではないでしょうか。
身近にいる1番大事な人を喜ばせる
あなたにとって1番大事な人は誰ですか?その人を喜ばせて笑顔にしていますか?
ガネーシャはこう言っています。
「人間ちゅうのは不思議な生き物でな。自分にとってどうでもええ人には気い遣いよるくせに、1番お世話になった人や1番自分を好きでいてくれる人、つまり、自分にとって1番大事な人を一番ぞんざいに扱うんや。例えば・・・親や。」
誰よりもあなたを大事に思っている人と言えば「親」です。「してもらう」「与えてもらう」のが当たり前になっていませんか?今からでも遅くはありません。些細なことでも親は子供がしてくれたことや物は喜んでくれます。また、自分がいつもお世話になっている人に、あなたの言葉、行動で笑顔にしてあげましょう。より、愛情や絆が深まり信頼を生むことは間違いありません。
人の長所を盗む
自己流の個性も大事ですが、時と場合によっては人の長所を盗むことも成功に近づく大きな要素となるのです。
ガネーシャはこう言っています。
「ええか、こう考えてみい。マネするんはな、お客さんを喜ばせるためなんや。人を喜ばせるという目的に照準が合うてたら、人のマネすることに恥ずかしさなんか感じひんのや。いや、好き勝手パクってええってことやないで。たとえば同業者のやってることマネさせてもらうんやったら、それなりに筋通さないかんこともあるやろ。でもな、早う技術覚えて、もっと多くの人をもっと喜ばせたいいう思い、それが何より大事なんや。」
誰かのマネをすることで人を喜ばせ、そこでつながりができ、人と人、物から物への流れが作られます。それは結果的に「感謝」や「信頼」を生むのです。
毎日感謝する
何に?と思う人もいるかも知れませんが、自分が今生きていること、ご飯が食べられること、仕事に就いていること、笑えること、すべてにおいて感謝できることだと知りましょう。
ガネーシャはこう言っています。
「自分の中に足りんと感じてることがあって、そこを何かで埋めようとするんやのうて、自分は充分に満たされている、自分は幸せやから、他人の中に足りないもんを見つけ、そこに愛を注いでやる。この状態になってこそ、自分が欲しいと思ってた、お金や名声、それらのすべてが自然な形で手に入るんや。
だってそやろ?自分らはお金も名声も地位も名誉も、自分で手に入れる思てるかも分からんけど、ちゃうで。むしろ逆やで。お金は他人がお前にくれるもんやろ。名声は他人がお前に与えてくれるもんなんや。」
自分1人で成功をおさめた人は誰1人いません。自分が大変なときでも人に愛を注ぎ助けてあげることで、心が満たされ感謝され、そして自分もまた「与えられる喜び」を学び感謝するのです。
誰にでもできる「当たり前」を行動にすることの難しさ
ガネーシャの課題をいくつかピックアップしましたが、どれも「仕事、恋愛、日常生活」などに当てはめられること、すぐにできることばかりです。
このような当たり前のことを行動にすることが普段の生活でどれくらいできているでしょうか。
人それぞれには人それぞれのルールを持って生きています。また、長年の慣れもあり普段と違ったことをしようと思っても、なかなか簡単にはできない難しさがあるもの。
ガネーシャが与えた課題は、特別なものはありません。何をやっても失敗ばかりするサラリーマンができることなのです。
まずはトイレ掃除から始めてみませんか?
夢をかなえるゾウの面白さ
まず、関西弁を話すガネーシャが面白いのが特徴。ストーリー性があり分かりやすく、気の弱い主人公とガネーシャの絡みがユニークで楽しめます。
課題の内容も、読んでいる人がすぐにでも実践できることばかりで、「やってみたい」「やってみよう!」という気持ちを高めてくれる日常的な本です。
夢をかなえるゾウが本当に伝えたいこと

誰でもできることを避け他人に親に友人に頼り、自分は何もしない・・・これでは希望は叶えられません。人に期待をしている限り何も変わらないのです。
自分が本当に変われるのは、「実際に行動した結果の経験」でしかないということを、この著書で述べています。
口先だけで行動しない人は自分に経験がないが故に、成功している人や幸せそうな人を妬むというマイナスな感情になりがちです。
そうではなく、まずは幸せそうな人を見たら、「あの人はなぜあんなに幸せそうなんだろう」と行動をマネし、それを人に与えてあげましょう。
そのとき、はじめてあなたも幸せを感じることができるのです。