ネットビジネスの起業は、パソコンとインターネット回線さえあれば始められるのがメリットです。仕事の種類はさまざまあり、自分に合うものを選べば高い収益を狙うことも可能です。
今回は、ネットビジネスの起業で成功するポイントや注意点などを紹介します。
ネットビジネスの起業とは?
ネットビジネスの起業とは、ネットだけで完結するビジネスを始めることです。店舗販売でネットも活用する場合は、ネットビジネスではありません。
ここではネットビジネスの起業について説明する前提として、そもそもネットビジネスとは何かについて説明します。また、ネットビジネスを始めるためにどのようなものが必要なのかについても紹介しましょう。
ネットビジネスとは何か
ネットビジネスはインターネットを利用して展開するビジネスの総称です。インターネットの利用者を対象にし、商品やサービスを提供します。
ネットビジネスには、「ネット物販」などネットを専門にした物販やアフィリエイト、ネット上で作業を行うデータ入力、Webライター、プログラミングなどがあり、形態はさまざまです。
副業でもできる
ネットビジネスは、パソコンとインターネットの環境があればどこでもできます。そのため、副業でも行いやすいのが特徴です。副業は本業がおろそかになるなどの理由で禁止している会社もありますが、最近では許容している会社も多くなっています。
本業以外の仕事をすることは本業のスキルアップにも繋がるからです。ネットビジネスはパソコンを駆使することでIT関連のスキルを磨くだけでなく、ビジネスの感覚を養うこともできるでしょう。
ネットビジネスの起業に必要なもの
ネットビジネスに必要なものは、基本的にパソコンとインターネット回線だけです。ビジネスの内容によってはプログラミングなどの専門的なスキルも必要になりますが、特別なスキルを必要としないネットビジネスもたくさんあります。
なお、パソコンではなく、スマホやタブレット端末だけの場合はビジネス展開が難しくなるでしょう。スマホなどはパソコンに比べるとどうしても処理能力が劣り、作業の効率があがりません。スムーズな作業を行うためには、パソコンの用意が必要です。
ネットビジネスを起業する2つのメリット
ネットビジネスを起業するメリットとしては、下記の2点が挙げられます。
- コストがかからずリスクが少ない
- 場所を選ばす仕事できる
インターネットの普及によりネットビジネスの需要も増えてきており、起業や副業でネットビジネスを行う人も年々増加の一途をたどっています。
ここからは、次の2点のメリットについて詳しく説明します。
1.コストがかからずリスクが少ない
ネットビジネスは一般的な起業と比べ、圧倒的にコストがかからないのがメリットです。店舗や事務所を持つ必要がないため、敷金・礼金などの初期費用や毎月の家賃が必要ありません。パソコンとインターネットの構築だけで済むため、設備投資などのコストも抑えられます。
ネット販売の場合は仕入や在庫管理に費用が必要ですが、プログラミングやライタービジネスなどであれば、それらのコストも不要です。自分一人でビジネスが完結するのであれば、従業員を雇う人件費や外注費用もかかりません。融資などの必要もなく、負債を抱えるリスクが少ない起業ができるでしょう。
2.場所を選ばず仕事できる
ネットビジネスは、パソコンとインターネット回線さえあればどこでも仕事ができるのもメリットです。自宅やシェアオフィス、カフェなど好きな場所で仕事ができます。旅行先からブログを更新し、収入を得るという働き方も可能です。
作業時間も自由に決められます。受注する仕事は締め切りなどもありますが、会社勤めのような時間の縛りはありません。基本的に自由な時間管理で仕事ができます。
起業しやすいネットビジネス6つ
ネットビジネスといっても形態はさまざまです。物販など仕入れや発送が伴う仕事から、アフィリエイト、コンテンツビジネスなどネット上ですべてが完了するビジネスもあります。
特別なスキルを必要とするものもあり、ノウハウがなければ高い利益をあげられないビジネスもあるでしょう。その中から、自分に合ったスタイルを選ぶ必要があります。
ここでは、比較的起業しやすいネットビジネスを6つ紹介しましょう。
1.ネット物販
ネットビジネスの中でも広く行われているのが、ネット物販です。店舗が必要ないためコストがかからず、集客数を増やすことで大きな利益を上げることも難しくありません。専門的な知識が必要ないため、取り組みやすいというメリットもあります。
ネット物販はAmazonやメルカリなどで転売を行う手法で、在庫を持たず運営することも可能です。成功のポイントは商品の選定で、競合の多い分野ではあまり大きな売上は望めないでしょう。すでに多くのネット物販が存在する中で成功するためには、ある程度の売上を見込めるニッチな商品の選定も必要です。
2.ネットショップ運営
ネットショップを運営して商品を販売する方法もあります。転売ではなくネット上に店舗を構え、物販するスタイルです。楽天市場やyahoo!ショッピングなど大手のショッピングモールに店舗を持つ方法と、自身のネットショップを立ち上げる方法の2種類があります。
前者はショッピングモールの持つ集客力を活かし、早い段階で収益をあげやすいのがメリットです。ただし、出店料や販売手数料を納めなければなりません。ネットショップを構えるのであれば手数料はかかりませんが、SEO対策や広告など、集客のための努力が必要です。
3.アフィリエイト
アフィリエイトで広告収入を得るネットビジネスもあります。アフィリエイトとは、Webサイトを訪れたユーザーに商品やサービスを紹介し、成果をあげたら報酬を得るというシステムです。アフィリエイトには次の2種類があります。
- 広告報酬:ユーザーが広告をクリックしたら、数円〜数十円の報酬を支払う
- 成果報酬:ユーザーが広告のリンクを通して商品やサービスを利用したら、あらかじめ設定した報酬を支払う
いずれも広告を貼るWebサイトに多くのアクセスを集めることが必要で、SEOなどの知識が必要です。常時多数の集客を見込めるサイトを構築できれば、大きな収益が期待できるでしょう。
4.コンテンツビジネス
自身の知識や経験、ノウハウなどをPDFや音声、動画などのコンテンツにして販売する方法です。イラストや写真が得意であれば、素材として販売することもできます。
特別な経験をもとにしたノウハウの伝授などは、講座を運営することも可能です。定期的にテキストや音声、動画を配信することで、大きな収益をあげられます。コストがかからず、最初のコンテンツさえ作り上げれば長期的に同じものを大量に販売できるのがメリットです。
5.ドロップシッピング
ドロップシッピングとは、在庫を持たずに商品を販売するシステムです。ネットショップを開設して注文を受けますが、商品はメーカーや卸売業者からユーザーへ直接発送されます。自身は商品に関与しないものの、ユーザーに販売したという形になり、販売価格と仕入れ価格との差額を取得できる仕組みです。
ネットショップのオーナーには、仕入れ費用のコストや在庫を抱えるという負担がありません。商品のメーカーや卸売業者にとってはネット上で簡単に販路を拡大できるのというメリットがあり、両者にとって魅力のあるビジネスモデルです。
6.クラウドソーシング
クラウドソーシングとは、プログラミングやライティングなど、自分のスキルに合った仕事をネット上で請け負うビジネスです。クラウドワークスやランサーズなどのサイトが代表的で、まずサイトに会員登録を行います。企業が発注する仕事の中から、自分に合うものを受注するという流れです。
発注される仕事は多岐にわたります。サイトの記事やブログなどのライティングから、Webデザイン、プログラミングなどのIT関連分野までさまざまで、高いスキルがあれば高額の受注も可能です。
ネットビジネスを成功させる方法
メリットの多いネットビジネスですが、成功させるにはコストに対し利益の大きいビジネスを選ぶことが大切です。利益率の低いビジネスを選んでしまうと、多くの労力が必要になり、事業がスムーズにすすまないことにもなるでしょう。
また、成功のためにはいくつかのコツを押さえることも必要です。次に紹介する内容を意識してみてください。
できるだけ在庫を持たない
初めてネットビジネスを行う場合、できるだけ在庫を持たないスタイルがおすすめです。ネット物販はビジネス参入がしやすい分野ですが、適切な販売数の把握ができないと在庫を抱える可能性もあります。
保管や廃棄などにコストがかかり、利益を得られない場合もあるでしょう。売れ行きについてある程度の見通しが立てられない場合は、在庫を持たないビジネスを行う方が無難です。
低予算で始める
ネットビジネスは初期費用や運用資金がかからないというメリットがありますが、知識の習得や情報を得るために費用がかかることもあります。
また、事業が軌道に乗るまでには時間が必要で、それまでにはあまり収益が期待できないということもあるでしょう。資金不足に陥らないためにも、できるだけ低予算でビジネスを始めるのが理想的です。
安定した収入を目指す
ビジネスを継続するためには、安定した収入が必要です。ネットビジネスの場合、大きな収益を得る可能性がある一方、継続的に同じ収益を上げるのはなかなか難しいという側面があります。収入が安定しないと、事業の継続が難しくなる可能性もあるでしょう。定期的な収入が得られるシステムを構築するようにしなければなりません。
そのためには、同じネットビジネスで成功している人の方法を参考にするのもひとつの方法です。安定して成果を出すためにどのような努力をしているのか、どのような工夫が必要かを知り、自分のビジネスにも応用してみるとよいでしょう。
ネットビジネスの起業で注意したいこと
他の事業と同じく、ネットビジネスの起業にも事業の継続が困難になるリスクはつきものです。それに加えてネットには特有のルールがあり、そこから派生するリスクもあります。長く生き残るためにはそのようなリスクを想定し、上手に乗り越えていかなければなりません。
ここでは、ネットビジネスの起業で注意したい点について紹介します。
アクセスの激減
ネットビジネスの中でもネット物販やアフィリエイト、コンテンツビジネスなどは、集客が売上に大きな影響を与えます。アクセス数を増やすポイントは検索結果の上位を狙うことで、Google検索エンジンへのSEO対策によって上位をキープすることが可能です。
しかし、このGoogle検索エンジンは急に変更されることがあり、検索順位が大きく変わる可能性があります。これまで検索上位にあって順調に売上をあげていた商品やサービスが検索順位急落の影響を受け、売上が激減するという事態が起こりうるのです。
このような事態は2017年、実際に起こりました。キュレーションサイトが事実と異なる記事を掲載するという問題が発覚したことを受けてGoogleは、日本語検索におけるページの評価方法を変えたのです。より信頼性が高く、有益な情報が上位に表示されやすくなるような変更が行われました。
このような変更はたびたび起こるものではありませんが、検索順位が売上に大きな影響を持つビジネスでは起こりうる事態として把握しておくのがよいでしょう。
広告市場の変化
インターネット環境の変化は激しく、広告市場も大きく変化します。集客に左右されるネットビジネスの場合、それに対応していかなければなりません。総務省が2019年に行ったインターネットの利用状況についての調査では、スマホの利用率が63%と、パソコンの50.4%を上回っています。
パソコンとスマホではWebページが異なり、従来通りパソコンに適したページでは、スマホからのアクセスが売上に繋がりません。スマホに最適化したサイトの構築が必要になります。
今後も、ネットビジネスを取り巻く状況は変化していくと考えられ、常に新しい情報を把握することが大切です。また、アフィリエイトでもFXなどの金融系アフィリエイトは行政の指導が入り、法人や有名サイトでしか提携できないという状況になっています。このような変化は、今後も起こりうるでしょう。
参考:総務省:「インターネットの利用状況」
まとめ
ネットビジネスの起業はコストがかからず、参入しやすいのが特徴です。パソコンとインターネット回線さえあれば始められ、在庫を持たないビジネスであればリスクも少ないでしょう。
しかし、事業を軌道に乗せるまでには時間がかかり、安定した収入につなげることも簡単ではありません。立ち上げる場合は自分に合ったネットビジネスを選び、事前に十分な計画を立てるようにしましょう。