SDGsバッジは、SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)に取り組んでいることを表明するカラフルなバッジです。近年では著名人でも着用する人が多くなり、会社や組織でも取り入れるところは増えてきました。
しかし会社や組織でバッジをつけるよう義務づけられても、実際のところバッジの意味やバッジをつけることでうまれる効果についてよくわからないという人も少なくないでしょう。
この記事では、SDGsバッジをつけることの意味をご紹介するとともに、今は持っていないけれど記事を読んでSDGsバッジが欲しくなった人のためにSDGsバッジを買う方法や正規品を見分けるコツもご紹介します。
目次
SDGsバッジとはどんなバッジ?
SDGsバッジをつけていることで、「SDGsに関連する事業に取り組んでいる会社や組織に在籍している」「SDGsに対する理解がある」ことを表明しています。そもそもSDGsバッジとはどんなバッジなのか、おさらいしておきましょう。
国連の定めるガイドラインを遵守している
SDGsバッジは虹のようにカラフルな配色が施され、円の真ん中に穴が空いたドーナツのような形をしたバッジです。カラフルなホイール(車の輪)の形は「カラーホイール」と呼ばれています。
国連の定めるガイドライン「カラーホイールを含むSDGsロゴと17のアイコンの使用ガイドライン」を遵守し、国連の承認が得られたところのみ販売可能 です 。間違った認識を広めたり悪用を防いだりするための処置ですが、依然として未承認で販売している偽物も出回っています。国連の承認を得て販売している場合は、必ずその旨が記載されていますので、購入時にチェックしましょう。日本国内でも、国連の承認を得た販売業者のSDGsバッジの購入ができます。
17の目標を示す17色
SDGsバッジのデザインには、17の目標を示す17色が使用されています。色の配置や色彩は「カラーホイールを含むSDGsロゴと17のアイコンの使用ガイドライン」に明記されており、勝手に変更することは許されていません。偽物かどうかを見極める指標にもなるでしょう。
様々な形式のあるSDGsバッジ
バッジの留め具部分はバタフライクラッチ式(ピンバッジ式)が一般的ですが、タイタック式やブローチ式、洋服に穴を開けずに使えるクリップ式やマグネット式など、様々な種類のバッジが販売されています。
バッジの素材も金属製だけではなく、ゴールドや漆、伝統工芸である螺鈿(らでん)細工の製品もあります。
バッジの基本的な大きさは2.5㎝ですが、1.5~2cmの小さ目なサイズも購入できます。
SDGsとは何か?基礎基本をおさらい
SDGsバッジはSDGsについて理解がある、実践している人や企業がつけるバッジです。SDGsについて改めて基礎基本をおさらいしておきましょう。
国連が定めた「持続可能な開発目標」
SDGsは、2015年に国連が定めた「持続可能な開発目標」のことです。Sustainable Development Goalsの頭文字をとってSDGsと呼ばれています。2030年までに持続可能な社会を実現するための17のゴールと細分化した169のターゲットを提示し、全世界で達成していこうと掲げられました。
どの目標も無関係ではない!
17の目標は、「貧困をなくそう」「ジェンダー平等を実現しよう」といった人間社会にかかわるものから、「つくる責任つかう責任」「海の豊かさを守ろう」といった地球環境にかかわるものまで掲げられています。
どの目標も地球上の誰一人として取り残さずに達成しようと掲げられたもので、理想的な社会の実現に必要不可欠な要素 です 。SDGsについてよく知らない人には無関係に感じるかもしれませんが、決して誰一人として17の目標に無関係な人は存在しません。
SDGsの基礎知識については、こちらの記事で詳しく解説しています。
↓
https://fan-make.com/sdgs-we-can/
SDGsのバッジをつけることの意味とメリット
SDGsのバッジをつけることを推奨する企業も増えてきましたが、SDGsのバッジをつけることには大きく分けて3つのメリットがあります。
SDGsへの取り組み姿勢を示す
SDGsのバッジをつけるということは、SDGsに関する何らかの取り組みをおこなっているということの証です。バッジをつけている人の所属する会社や組織は、SDGsへの取り組みを社内外へ発信することができ、社会貢献度が高いというイメージアップにつながるでしょう。
特に海外ではSDGsへの認知度が高く、中国は90%、インドは89%となっており、海外と取引のある企業や今後海外への進出を考えている企業にとって、良い評価基準の一つとなります。
SDGsのバッジ以外にも、会社の名刺にSDGsのロゴやアイコンを入れたり、ウェブサイトでSDGsへの取り組みについて情報発信するなどの方法があります。
ただし各種ロゴを使用する場合は国連の定めるガイドラインを確認し、遵守したうえで行う必要があります。
SDGsへの意識を高めて持続する
また、SDGsの目標は一朝一夕で達成できるものではなく、長期的な継続が必要です。
SDGsバッジを着用することで、人々に視覚的に訴え、SDGsへの意識が向上する効果があります。また1人では活動を継続しにくくても、他にバッジをつけている人を見ればお互いにSDGsに対する意識を持続させやすくなります。
連帯感が生まれる
社員全員がSDGsのバッジをつけることで、社員同士の連帯感が生まれます。定期的に事業目標を立てたり、全社で達成目標を掲げたりしていても、普段から意識することは少ないのではないでしょうか。
社員全員がSDGsのバッジをつけていることで目にする機会が増えれば、お互いに同じ目標に向けて取り組んでいるのだという連帯感が生まれやすくなります。社員同士ではもちろんのこと、社外でもSDGsバッジをつけている者同士、共感しやすくなるでしょう。
また、SDGsの目標は一朝一夕で達成できるものではなく、長期的な継続が必要です。1人では活動を継続しにくくても、他にバッジをつけている人を見ればお互いにSDGsに対する意識を持続させやすくなります。
話題のきっかけになる
近年では著名人もつけるようになったSDGsのバッジ です 。初対面の人がSDGsのバッジをつけていれば、話題のきっかけにしやすくなるでしょう。
自分がつけていることで、周囲から注目されることもあるかもしれません。その時、自社ではSDGsに関してどのような取り組みをおこなっているのか説明できたり、SDGsそのものについて話せたりするようになっておけば、さらに話題は深まるでしょう。
また企業や人がつけているSDGsバッジを目にすることで、SDGsのことを認知するきっかけにもなります。
SDGsバッジの購入方法
SDGsバッジを実際に購入する方法をご紹介します。オフラインでもオンラインでも購入可能なので、自分の購入しやすい方法を選んでみてください。
【海外】国連本部・関連機関
国連本部や、関連機関では正式なSDGsバッジが販売されています。Webページから購入が可能ですが、すべて英語表記となっているため、英語に抵抗のない方にはおすすめです。国連本部で販売されているバッジであれば、偽物を購入してしまう可能性はまずありません。
【海外】関連機関:国連開発計画(UNDP)
SDGsを採択した国連機関である国連開発計画(UNDP)の公式ウェブページからも、購入できます。ただし英語表記のみで、日本語には対応していません。
【日本】有限会社ローカルプランニング
オーダーメイド注文が可能な販売サイトです。バッジのタイプやサイズ、留め金の種類など自由に組み合わせられるので、自分のオリジナルのSDGsバッジ作成を依頼することができるでしょう。
ビジネスシーンにぴったりのタイピンや、服に穴を空けたくない人のためのマグネット仕様もあります。100個以上の注文があればニッケルメッキをゴールドに変更したり、刻印やシリアルナンバーを入れたりすることもできるので、団体・企業・官公庁などの大量注文に適しているでしょう。
【日本】三藤株式会社
こちらもオーダーメイド注文が可能な販売業者です。タイプやサイズ、留め金の種類が選べるほか、スワロフスキー製ラインストーンをあしらった華やかなタイプもあり、希望すればバッジの裏側に刻印をすることもできます。バッジだけでなくステッカーやノベルティなど幅広い制作を依頼可能。社用車やオフィスグッズにステッカーを貼るのもいいでしょう。
【日本】joinsdgs事務局
真鍮製のオシャレなピンバッジを購入できるサイトです。もともとはクラウドファンディングで制作されたもので、「ピンバッジでSDGsを知る」ということを目的につくられました。開始から15時間30分で目標金額の100万円を達成したことからも、SDGsに興味関心はあれど手を出しにくいと感じていた人が多いことがうかがえます。
起案者が直接国連にかけあって誕生した正真正銘の正規品でありながら、国連本部で販売されているものより3mm小さく、ファッションに合わせやすいピンバッジです。アイテムの種類は真鍮製のピンバッジのみですが、大阪や京都の一部TSUTAYA書店では店頭販売もおこなわれています。
【日本】Amazon・楽天市場
おなじみの通販サイト、Amazonや楽天市場でも、SDGsバッジを購入することができます。購入する際は販売元や「国連正規品」であることをきちんと確認するようにしましょう。
正規品であることを確認すること
正規品であるかどうかを確認するには、前述したように国連で定められているガイドラインを遵守しているかどうかを判断する必要があります。しかし実際のところ、配色が正しいか色彩が正しいかといった基準で判断するのは厳しいでしょう。
正規品を購入するためには、国連本部および関連機関の販売サイトで購入するか、「正規品」「国連の認証を得ている」といった文言を信用して購入するのがベストです。また、SDGsのロゴのつかい方にも規定があり、たとえばSDGsのカラーホイール内に別のロゴを入れるような方法は禁止されています。このようなロゴのつかい方がされていないことも、ひとつの判断基準となるでしょう。
SDGsロゴの用途も確認が必要
国連が定めるSDGsロゴの用途は3つあります。
・普及のための情報目的
・資金調達の目的
・商業使用の目的
上記の中で、国連の使用許可が必要ないものは認知拡大のための情報目的です。それ以外の目的でSDGsロゴのバッジを制作・販売する場合は国連からの許可が必要となります。
SDGsバッジの購入時に、正規品かを見分ける際に活用できるでしょう。
SDGsバッジはつければいいわけではない?
SDGsバッジをつけることは会社そのものの評価にもつながる一方、中身が伴っていないと「SDGsウォッシュ」と揶揄され、かえって評価を落とすことになるので注意が必要です。
SDGsバッジをつけているということは関連する取り組みをおこなっているという証であり、バッジをつけること自体もSDGs活動に含まれます。
しかし実際には取り組みをおこなっておらず、バッジをつけることでうわべだけ取り繕っているという企業も稀にあります。バッジをつけているのにもかかわらず、SDGsやSDGsバッジをつけている意味、自社の関連する取り組みについてきちんと説明できないと、「SDGsウォッシュ」とみなされてしまうでしょう。
ただバッジをつければいいわけではなく、実際にSDGsへ取り組んでいる前提で着用することが大切です。会社で指定されただけでまだ知識がないのであれば、しっかりと勉強しておきましょう。
まとめ
SDGsバッジの意味や購入方法についてまとめました。オシャレなカラーホイールが特徴的なSDGsバッジは多くの人の目にとまりやすく、SDGsの価値観を広めていくうえで重要な役割を果たすことになるでしょう。
そのためには、1人ひとりがSDGsの意味をきちんと理解し、正規品を購入して正しい価値観を広めていくことが大切です。