会員制ビジネス構築無料動画セミナーはこちらをクリック

SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」の基本情報

生徒に教える先生

SDGsに関する目標は、いくつもあります。「質の高い教育をみんなに」も目標の1つとして含まれていますが、具体的にどのようなものなのでしょうか。

そこで今回は、目標4「質の高い教育をみんなに」の基本情報や取り組み、個人でもできることなどを紹介します。教育に対しての関心を持っている方やSDGsへの理解を深めたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

なお、前半部分ではSDGsそのものに関することも紹介しているため、「そもそもSDGsって何?」という方でも把握できるようになっています。

まずはSDGsを確認しておこう!

SDGSと書かれたブロックと関連ワード

冒頭でも述べたように、まずはSDGsがどのようなものなのか、ある程度把握した上で、今回のテーマである目標4を紹介します。

SDGsへの理解がなければ、目標4についても理解することはできません。SDGsに関する知識があいまいな方は、この項目である程度の基礎を把握しておきましょう。

SDGsの基本情報

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称です。日本語に訳すと持続可能な開発目標となり、国連が全世界で取り組む目標として掲げられています。SDGsが採択されたのは2015年9月25日の国連総会です。2030年までの期間を設けてさまざまな目標を掲げました。現在でも目標達成を目指すための取り組みが進められており、その中にはもちろん日本も含まれています。

なお、SDGsにはそれぞれ目標とターゲットがあります。目標は経済や環境など幅広く設定されており、それぞれの目標ごとに複数のターゲットが設けられているのです。ターゲットは目標を具体的に説明しているものが多いため、目標だけで把握できないときはターゲットの内容まで読んでみましょう。

SDGsに対する日本の取り組み

SDGsに対する日本の取り組みはさまざまあります。例えば、「女性の活躍推進のための開発戦略」や「ビジネスと人権に関する行動計画」などです。

また、SDGsへの取り組みは関係省庁ごとによっても異なっており、金融庁や消費者庁、総務省などでも取り組まれています。詳しく知りたい方は各省庁の公式サイトをチェックしてみましょう。

SDGsに対する海外での取り組み

SDGsに対する取り組みは国によって異なります。フィンランドの首都であるヘルシンキでは、サステナビリティにフォーカスを当てたページを作成し、ページ内ではヘルシンキでサステナビリティを心がけながら過ごすスケジュールやサステナビリティの基準をクリアしている施設などを紹介しています。

デンマークでは、「UN17 Village」というプロジェクトを実施中です。「UN17 Village」とは、SDGsで掲げているすべての目標をクリアするための村作りであり、快適な暮らしとサステナビリティの両立を目指して進められています。村自体は2023年に完成予定で、新しいライフスタイルの実現を図っているのです。

SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」とは?

黒板の前に立ってチョークを持つ先生

SDGsには「働きがいも経済成長も」

や「気候変動具体的な対策を」といったさまざまな目標があります。その中の1つとして「質の高い教育をみんなに」がありますが、どういった目標なのでしょうか。

「質の高い教育をみんなに」だけでは詳しいところまで分からないため、この項目では目標4に関する基本情報を紹介します。

目標4のターゲット

世界中のすべての人が公平かつ質の高い教育が受けられる社会となるために、目標4には10のターゲットが定められています。

4-1 男女の区別なく、すべての子どもが無料かつ公正で質の高い教育を受け、小学校と中学校を卒業できるようにする。

4-2 男女区別なく、すべての子どもが幼稚園または保育園に行き、小学校の教育を受ける準備が整うようにする。

4-3 男女区別なく、すべての人が支払うことができる費用で技術や職業についての教育、大学を含む高等教育へ平等にアクセスできるようにする。

4-4 働きがいのある人間らしい職についたり、起業することができるよう、そのために必要な技能を備えた若者や成人の割合を増やす。

4-5 教育の男女格差を解消し、障害や先住民族といった弱い立場にある子供も平等に、あらゆるレベルの教育や職業訓練にアクセスできるようにする。

4-6 すべての若者や大半の成人男女が、読み書きや基本的な計算能力を習得できるようにする。

4-7 学習するすべての人々が、持続可能な社会を形成するために必要な知識やスキルを習得できるようにする。そのための教育として、サスティナブルなライフスタイル、人権や男女平等、平和や非暴力、世界市民としての意識や文化の多様性について理解できるように推進する。

上記7つのターゲットはすべて、2030年までの達成目標です。

4-a 障害やジェンダー、子どもに配慮した施設の建設と改良、全ての人が安全で暴力のない学習環境を公平に受けられるようにする。

4-b 2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国や島国、アフリカの国々の人が、先進国などで職業訓練や情報通信技術、科学などの教育にアクセスできるよう奨学金の件数を世界で大幅に増やす。

4-c 2030年までに、開発途上国、特に後発途上国や島国で、教師の教育研修のための国際協力を実施し、知識や経験のある教師の数を十分に増やす。

以上のようにターゲットには、初等教育の整備や読み書き能力・基本的計算能力の習得、資格を持つ教員の増加などついて記載されており、どれも目標4を具体的に説明しているので非常にわかりやすいです。

また、ターゲットは全体的にどんな人でも平等に教育を受けられる世界をつくることを目標として作られています。これは性別や貧富の差に関わらずのことであり、「平等」という言葉に対してしっかりとフォーカスを当てていると言えるでしょう。

質の高い教育が求められる理由

世界が抱えているさまざまな課題を解決するためには、質の高い教育は欠かせません。世界には文字が読めないことが原因で貧困から抜け出せない人が多くいます。文字が読めないと安定した職業を得ることも、働くうえで必要な技術を学ぶこともできないのです。

質の高い教育を受けることは、貧困から抜け出す光だと言ってもいいでしょう。事実、2012年に当時の国連トップであった潘基文は、「質の高い教育によって、貧困からの脱却や子供の死亡率の減少、児童婚の減少などを実現できる」と述べています。

仮にすべての女性が中等教育を受けていれば、子どもの死亡率は半分近く減少し、発育の阻害にある子どもが救われ、早すぎる妊娠の半分が防止できるとされています。

十分な教育が受けられない主な理由

荒れ果てた土地とPEACE??と書かれたプレート

世界にはきちんと教育が受けられている国もあれば、十分な教育が受けられない国もあります。しかし、なぜそのような差が生まれているのでしょうか。

そこで、十分な教育を受けられない理由を4つピックアップして紹介します。今回のテーマにも関係することであるため、目を通しておいてください。

学校に通えない子どもが多いため

3つの中でも特に大きな理由が、「学校に通えない」というもの。「戦争で難民となってしまったから」「通うためのお金が無いから」など、通えない理由は人それぞれです。具体的な理由として、以下のようなものがあります。

・学校が近くにない
・先生の数が不足している
・貧困で学校に通う余裕がない
・病気になって通うことができない

教育水準を上げることも大切ですが、「なぜ通えないのか」という理由をハッキリとさせた上で解決してあげなければ、根本的な解決にはつながりません。

教育よりも優先すべき課題があるため

世界を見渡すと、労働力として家計や兄弟の世話をしたり、家族の病気などを優先している家庭も多く、教育が後回しになっているのです。貧困に苦しんでいれば、学校に通うお金よりも、今日生きていくためのお金が必要です。もし教育よりも優先すべき課題があるならば、それを解決しなければ、学校に行こうとは思えないでしょう。課題によっては、本人は学校に行きたいといったケースもあります。

教育に対する親の考えが違うため

日本では「学校に行って当たり前」ですが、どの国も同じとは限りません。国によっては教育に対する親の考えが異なり、「学校に行くよりも親孝行することのほうが大切」「学校に行くくらいなら仕事したほうが良い」と考えている地域もあります。親自体が教育を受けていなければ、学校に行く必要性を感じられないケースもあります。この場合、本人がどれだけ学校に行きたくても親が許さないため、教育を受けることを諦めざるを得ないのです。

男女格差が存在するため

女性であるというだけで、学校に通えない子どもも多く存在しています。世界では、18歳未満で結婚や出産を経験する児童婚が問題視されており、たとえ学校に通っていても妊娠で中退せざるおえない場合があります。

児童婚は本人の意思と無関係で、地域や国の慣習や文化により、望まない妊娠や結婚を強制されていることもあります。

また学校環境が女性にとって安全ではなく、女性トイレがない、性別による差別を受ける、女性教員が少なく支援を受けられないなど、学校に行くことを断念する女の子もいます。

SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」の取り組み

supportと書かれたハートを持つ両手

目標4への取り組みとしては、一体どのようなものがあるのでしょうか。

そこでこの項目では、教育機関や日本企業の取り組みをピックアップして紹介します。どのような取り組みが行われているかを知りたい方は、ぜひ読んでみてください。

教育機関での主な取り組み

1.江東区八名川小学校

江東区立八名川小学校では、2010年からESD(Education for Sustainable Development)をメインに据えた教育を進めています。ESDとは、将来、持続可能な開発を進められる担い手を育成しようという取り組みです。江東区立八名川小学校では、そのようなESDの教育を全校体制で行っており、第1回ジャパンSDGsアワード特別賞を受賞しました。

具体的な活動としては、実施学年ごとにSDGsに関する実践計画表をまとめたり、子どもたちがSDGsに関して学んだことを地域のイベントでプレゼンテーションしたりなどが挙げられます。

2.岡山大学

岡山大学の事例をご紹介しましょう。岡山大学はアジアで初めてユネスコチェアの認定を取得し、ESD以外にもSDGsの目標達成を目指した取り組みを実施しています。また、ESDの教師教育にも力を入れており、ESD教育の推進に非常に積極的です。

中国、韓国、ミャンマーやインドネシアなどのアジアを中心とした教育機関と連携し、教師を育成するプログラムを推進しています。

岡山大学のサイトには、SDGsに関するイベントやセミナーなどの情報がたくさんあります。ビジネスコンテストも開催しているので、興味がある方はサイトを訪れてみましょう。

日本企業による海外での主な取り組み

海外でさまざまな取り組みをしている企業をご紹介しましょう。

1.パナソニック

大手電気メーカーのPanasonicでは、発展途上国に10万台ソーラータイプのランタンを寄贈し、勉強しやすい明るい環境づくりをサポートすることで、識字率の向上に貢献しています。特にカンボジアの農村部では、ランタンの寄付により夜間識字教室が開催できるようになり、識字率が向上しました。

2.MIZUNO

スポーツブランドとして世界中で知られるMIZUNOの取り組みを見てみましょう。MIZUNOは運動が苦手な子でも楽しめるような運動遊びの独自プログラムを開発し、ベトナムの初等教育への導入に取り組んでいます。この運動を通して、子どもたちが心身ともに健康に成長する手助けをしているのです。

3.リコー

プリンターなどの事務機器を製造するリコーでは、NGO「セーブザチルドレン」と協力してインドの学校に教育支援プログラムを提供しています。

デリーやビハール州などのインドの各地域の学校へ、プロジェクターなどの製品やサービスの提供、教員研修の実施などプログラムを実施できる環境を整えています。

SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」の世界での取り組み

ここからは、目標4に対して海外ではどのような取り組みが行われているか紹介します。

  • JICAの教育開発プロジェクト「みんなの学校プロジェクト」

2004年からJICAでは、西アフリカ地域を中心とした各地で学校や地域の人々が協力して子供の学習環境を作るプロジェクトを推進してきました。このプロジェクトが開始されることとなった背景として、サハラ以南アフリカでは約60%の10歳以上の子供たちは基本的な読み書きや計算ができない状態でした。

そこで子どものための教育環境を改善するために「みんなの学校プロジェクト」が開始され、教育に対する大人の意識の変化、入学率の向上につながる成果を上げています。

特に世界の中でも貧しい国であるニジェールでは、子どもの就学率がとても低い状態でしたが、JICAのプロジェクトにより教育環境に大きな改革を起こしました。

個人でもできることって?

ハートのボックスに円マークを入れる

「目標4への取り組みは、団体や企業じゃないとできないの?」と疑問に思う方がいるかもしれませんが、そうではありません。目標4への取り組みは個人でもできます。最後の項目では、個人でもできることを3つ紹介します。

目標4に関連する情報を集める

実際に取り組む前には、目標4に関する情報を頭に入れ、理解を深めることが大切です。そのためにも、まずは目標4に関する情報収集から始めてみましょう。目標4に関連した本や映像は数多くあります。

例えば映画であれば、「世界の果ての通学路」や「バベルの学校」などが挙げられるでしょう。どちらも教育に関する映像作品であるため、気になる方は一度見てみてください。

目標4への活動に寄付する

教育に関する活動をしている団体に、寄付をすることも目標4に対する立派な取り組みです。スーパーマーケットや駅、公共施設などで募金活動が行われていたら、寄付してみましょう。自分自身が目標4の活動に直接関われなくても、あなたが寄付したお金が子どもたちの教育をサポートする助けになります。

団体にとっては活動資金が多ければ多いほど、より多くの子どもたちに教育を受けさせることが可能となるため、少しでも助けたいところです。もちろん、自分自身で目標4に対する募金活動を始めてもいいでしょう。

なお、目標4に関連した団体としては「特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン」や「特例認定NPO法人e-Education」、「公益財団法人日本ユニセフ協会」などが挙げられます。興味がある方は、団体のサイトなどを見てみましょう。

市役所に行く

「具体的に何をすれば良いのか分からない」という方におすすめしたいのが、市役所に行ってみることです。市役所では教育に関するボランティアを募集していることがあります。このようなボランティア活動も目標4に取り組むことにつながりますので、興味がある方は市役所に行き、自分でもできることがないかをチェックしてみましょう。

まとめ

退屈そうに授業を受ける女子高生

今回は、目標4「質の高い教育をみんなに」の基本情報や取り組み、個人でもできることを紹介しました。目標4は世界中の教育に対する課題をクリアするためのもので、さまざまな団体や企業が取り組んでいます。個人でも目標4に対してできることはありますので、教育への関心を持っている方やSDGsに取り組んでみたい方は、身近なことから始めてみてはどうでしょうか。