ビジネスをおこなっていくうえで最もシビアになってくるのが毎月の売上とその売上をどのようにして立てていくか。
企業レベルでおこなうにしても個人レベルでおこなうにしても、ビジネスを続けていくためには常に一定の売上を立てなくてはいけません。
しかし、1回の取引で顧客との関係が途切れてしまう可能性のあるフロー型のビジネスをおこなっている方にとって、この安定した売上の確保が何より難しい部分だったりするものです。
そこでこの記事では、フロービジネスとよく比較されるストックビジネスについて詳しくお伝えしていきます。
毎月の売上の確保に疲弊してしまっている方や不安を覚えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ストックビジネスとフロービジネス
ビジネスにはさまざまな種類がありますが、その仕組を大きな分類で分けてみると、
ストックビジネス
フロービジネス
の2つに分けることができます。
では、これら2つのビジネスはどういった仕組みのビジネスでどういった違いがあるのでしょうか?
ストックビジネス
ストックとは、蓄えや蓄積を意味する英単語です。
すなわちストックビジネスは売上を蓄積していくタイプのビジネスということになります。
一口にストックビジネスと言ってもその種類はさまざまですが、継続的に商品やサービスを提供し、利用してくれるユーザーや顧客を長期的に囲いこむことで売上をあげると同時に安定させていきます。
フロービジネス
フロービジネスのフローは、流れや流動といった意味を持つ英単語です。
フロービジネスはその名の通り、一連の流れを持つタイプのビジネスです。
フロービジネスも細かく分けるといくつもの種類に分けることができますが、基本的に営業活動などによって顧客から仕事を獲得することで売上をあげていきます。
しかし、フロービジネスの売上はストックビジネスの売上とは異なり、継続するようなものではありません。
フロービジネスでは基本的に顧客とはその都度の付き合いになるため、一度商品やサービスの提供が完了するとその後継続して付き合うようなことはなくなります。
そのため、顧客や仕事を獲得し続けないと売上を立てることができなくなってしまうという大きなデメリットがあります。
ストックビジネスのメリット
常に顧客や仕事を獲得し続けていかないと売上がゼロになってしまう可能性もあるフロービジネスとは異なる収益構造を持ったストックビジネス。
そんなストックビジネスにはフロービジネスにはないさまざまなメリットがあります。
ここからは、ストックビジネスのメリットについてみていきましょう。
1. 売上を積み上げていくことができる
ストックビジネスは蓄積型のビジネスです。
そのため、売上をどんどん積み上げていくことができます。
フロービジネスは取引が完了してしまうと売上が立たなくなるため、極端な話、毎月顧客を獲得していかないと売上がゼロになってしまうこともあります。
しかし、ストックビジネスは一度の取引で関係が解消されてしまうタイプのビジネスではないため、前月の売上に積み上げられる形で収益が増えていくわけです。
もちろん、顧客が商品の継続購入やサービスの継続利用を解約すると収益が目減りしてしまう可能性もありますが、基本的には売上を蓄積していくことが可能なビジネス構造となっています。
2. 継続的に収入を得ることができる
単発で売上がたつタイプのフロービジネスとは異なり、ストックビジネスは売り上げが蓄積されていくタイプのビジネスです。
そのため、顧客が商品の継続購入やサービスの継続利用を解約しない限り、継続的に収入を得ることができます。
ビジネスの規模やジャンルにもよりますが、ストックビジネスで顧客がゼロになるということは稀なので、ストックビジネスを展開している以上、ある程度継続的に収入を得続けることができると考えていいでしょう。
そして、これはビジネスをおこなっていく上でとても大きなメリットになります。
企業レベルにしても個人レベルにしてもビジネスをおこなっている方なら共感してもらえるかと思いますが、継続的な収入が得られるというのはとてもありがたいものです。
フロービジネスのように、「来月売上が立たなかったらどうしよう…」という不安を常に抱えておく必要がないというのは精神衛生上においても大きなメリットだと言えますね。
この継続した売上が見込める安定感が、ストックビジネスが人気のビジネスである所以といってもいいでしょう。
3. 外的な要因に売上が左右されにくい
ストックビジネスには外的な要因に売上が左右されにくいというメリットもあります。
例えば、企業レベルでビジネスをおこなっている場合、従業員を確保できないと作業をこなせる人間がいなくなってしまうため、売上を立てることが難しくなってしまいます。
例えば、商品を作って納品する、サービスやシステムを作って納品する、というようなフロービジネスタイプの事業をおこなっていたとします。
この場合、商品を作る従業員や、サービスやシステムを作る従業員が確保できないと顧客に納品することができません。
そうなると当然売上も立たなくなってしまいます。
しかし、ストックビジネスの場合、これまで蓄積してきた分があるので、仮に当月新たに顧客を獲得できなかったとしても売上をあげることができます。
また、このメリットは個人レベルのビジネスにも当てはまります。
個人で事業をおこなっていると、体調を崩したりケガをしてしまったりすることで業務をおこなうことができなくなってしまう可能性はゼロではありません。
しかし、その事業がストックビジネスタイプのものであれば、仮にその月まるまる業務をおこなえなかったとしても、ある程度売上を立てることが可能になります。
これもストックビジネスの大きなメリットの一つと言っていいでしょう。
4. 事業を売却するときに高く売れやすい
これまで紹介してきたように、ストックビジネスは売上を積み重ねることができ、かつ売上を安定させることができるというメリットがあります。
そのため、事業を売却するときにも、フロービジネスタイプの事業よりもストックビジネスタイプの事業の方が高く売れやすいと傾向にあります。
事業を売却する予定のある・なしに関わらず、これも大きなメリットの一つと言えるでしょう。
ストックビジネスの例
では最後にストックビジネスにはどういったものがあるのか、その例をいくつかあげて紹介していきたいと思います。
1. 定期購入タイプ
ストックビジネスの定番とも言える定期購入タイプのビジネス。
定期購入で購入するものと言えば、健康食品やサプリメントなどが有名ですね。
健康食品やサプリメントは導入してすぐに効果が実感できるようなものではなく、ある程度の期間継続して利用することが前提になってくるので、安定した売上が見込めるようになります。
2. 定額利用タイプ
毎月定額で利用するようなサービスもストックビジネスの定番といえるビジネスタイプの一つです。
最近流行り始めているものを例にあげるとすれば、定額で映画やドラマが見放題になる動画配信サービスが最もわかりやすい事例になるでしょうか。
また、定額制の音楽配信サービスも定額利用タイプのストックビジネスの代表的なものの一つです。
これらのサービスで継続的かつ安定的に売上をあげるためには、コンテンツの充実具合が最も重要になってきます。
3. レンタル(リース)タイプ
レンタル(リース)タイプのビジネスも最近流行ってきているビジネスタイプの一つです。
ウォーターサーバーやカーリースなどが代表的なものとしてあげられます。
これらのサービスの利用者は手間が削減できるところに魅力を感じている場合が多のですが、手間がかからず便利というのはユーザーの満足度に直結するため、長期間にわたり継続的に利用してもらいやすくなるといったメリットがあります。
4. 定期メンテナンスタイプ
ビルメンテナンスなどの定期メンテンスタイプのビジネスも、ストックビジネスとして人気の高いビジネスタイプの一つです。
ビルメンテンナスなどのメンテンスビジネスは、ある程度の期間対応を続けていると作業内容が体系化するため、業者が変更されにいくという強みがあります。
そのため、継続的に売上をあげることができるようになります。
まとめ
ビジネスを展開していくのであればフロービジネスよりもストックビジネスの方が断然おすすめです。
そのため、現在フロービジネスによって疲弊してしまっているのであれば、一度ビジネスタイプを見直してみるのをおすすめします。
今回紹介してきたように、ストックビジネスにはたくさんの事例があるので、事例を参考にストックビジネスの展開を検討してみてはいかがでしょうか?