様々な業界でサブスクリプション型ビジネスが行われ始めています。
大手企業だけではなく、中小企業でも導入されるケースが増えているので、今後さらに発展する可能性のあるビジネスモデルです。
しかし、サブスクリプション型ビジネスを活用することで、本当に成功するのかと不安になる方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、サブスクリプション型ビジネスを利用することで企業にはどんな変化が起きるのかを解説すると共に、成功に導くためのポイントをご紹介していきましょう。
実際にサブスクリプション型ビジネスを行っている企業での事例もご紹介していきます。
目次
近年受け入れられているサブスクリプション型ビジネス
サブスクリプション型ビジネスについて
商品やサービスを売り切りするのではなく、期間や利用量に対しての対価を支払う形態のビジネスモデルで「定額制サービス」です。
継続的な売上につなげることが難しい商品やサービスでも、月額や年額などの定額制にすることで営業努力をせずとも、ビジネスを展開できる仕組みとなっています。
例えば、「月額○円で使い放題」や「年額○円で利用し放題」などが当てはまるでしょう。
1つの商品を長く使い続けることも大切ですが、時代に合わせて流行やニーズにも変化があります。
様々な商品を試しながら使っていきたい、身に付けていきたいと感じている消費者が増えていることで、サブスクリプション型ビジネスは注目されてきているのです。
サブスクリプション型ビジネスの事例
実際にサブスクリプション型ビジネスを展開している企業の実例を見ていきましょう。
株式会社フードリヴァンプが展開している野郎ラーメンでは、月額制で豚骨野郎・汁無し野郎・味噌野郎の3種類のラーメンが1日1杯まで食べることのできるサービスを行っています。
豚骨野郎であれば月に12杯食べることで元が取れるようになっているので、毎日でも美味しいラーメンが食べたい方にとってはお得なサービスです。
月額料金でプロのスタイリストが選んだ洋服が定期的に自宅まで届くサービスです。
好きな洋服やアクセサリーがあれば、特典点数まで借り放題できるサービスも行っています。
雑誌やテレビなどで活躍している本物のスタイリストにコーディネートしてもらえる機会は一般の人にとってはないに等しいことなので、ファッションが好きな人には嬉しいサービスです。
月額制で150種類以上もの車の中から自由に好きな車をチョイスして利用できるサービスです。
家族構成や利用シーンによって選ぶ車の種類には違いが表れます。
しかし、ライフスタイルに合わせて自由に選べるので、家族構成が変わった際にも安心して選び直すことが可能です。
維持費や自動車税などの毎月掛かる費用もないので、駐車場代とガソリン代、消耗品代、メンテナンス代だけで車を利用できます。
外車に乗れるプランもあり、好みの車を選べるでしょう
日本では2011年にサービスが開始された動画配信サービスで、月額制で映画やドラマなどが見放題です。
近年では国内ドラマの特別版なども放送され、話題を集めています。
利用者を増やすために期間限定の無料サービスなども実施しており、サブスクリプション型ビジネスの典型的サービスと言えるでしょう。
サブスクリプション型ビジネスで起きる変化
消費者との関係性が変わる
従来の売り切り型のサービスでは継続的な売上を見込むためには営業努力が不可欠でした。
しかし、サブスクリプション型ビジネスではプランの変更やキャンペーンを実施することで長期利用を促すことができると予測できます。
長期利用を促すためには、サービスの反応についての満足度について定期的に調査することが重要です。
調査結果をサービスに反映することで、より質の高いサービスを提供することができます。
結果的に良好な関係を維持できるので、消費者側・企業側双方にとってメリットの多いビジネスモデルです。
ストレスを与えない費用設定が重要
良好な関係を消費者と築けたとしても、費用設定に問題があれば消費者は企業に対して不信感を抱きます。
特に請求金額が間違っていた場合には、継続利用がキャンセルとなる可能性もあるため、請求管理についてはミスのないよう気を付けましょう。
企業同士で見られる変化は?
アメリカのT字型カミソリ市場では、サブスクリプション型ビジネスが展開されたことで変化が表れています。
DOLLAR SHAVE CLUBでは、髭剃り用のカミソリの替え刃を1ヶ月単位で顧客に届けるサービスを提供しています。
年々売上高が大きくなっていることで、他社にとっては脅威となっているのです。
カミソリ業界でも大手と言われているGilletteでは、低価格戦略で対抗策を打ち、シェアの伸び悩みを解消できるよう模索しています。
2016年には消費財メーカー大手のユニリーバがDOLLAR SHAVE CLUBを買収したことで話題となりました。
DOLLAR SHAVE CLUBのサブスクリプション型ビジネスが今後の事業発展のためには必要だと判断したのでしょうが、低価格戦略や買収など、今後も増えていくことが予想されます。
サブスクリプション型ビジネスを成功に導くポイント
「消費者目線」が重要
サブスクリプション型ビジネスでは、消費者目線でのサービスが重要となります。
消費者としては、継続利用するにはプランが充実していることもポイントの1つです。
消費者によってニーズや利用方法には違いがあるので、消費者に見合うプランを提案していく必要があります。
サービスに対する反応や要望を都度確認し、サービスに反映させなくてはなりません。
システム運用・管理を徹底させる
システムの運用と管理に関しては自社独自で展開することも可能ですが、管理が疎かになってしまえばトラブルが発生し、消費者離れにつながってしまいます。
消費者によって違いのある利用状況についてリアルタイムで確認することや、適したサービスを提供するための情報システムが必要です。
請求や入金の処理を行う会計システムも必要になるため、サブスクリプション型ビジネスに対応したプラットフォームを活用するほか、支援を行ってくれるコンサルティング事業者に依頼することも考えてみましょう。
KPI設定も忘れずに
目標を達成するために重要となるプロセスごとの目標値の進捗状況を明確化できる指標のKPI設定も忘れずに行いましょう。
KGIをしっかりと設定し、消費者のアクションにつなげるためにバランス良く設定する必要があります。
継続率やアップセル・クロスセルは売上アップには欠かせません。
また、消費者の満足度を測ることができるNSPも重要です。
まとめ
サブスクリプション型ビジネスは、消費者だけではなく企業側にとっても魅力の高いビジネス方法となります。
消費者に長くサービスを利用してもらうためにも、商品やサービスを充実させてロイヤルティを高めることがポイントです。
しかし、継続した安定的な収益を確保するためには、消費者目線で考えることだけではなく、自社のシステムの管理や運用を見直すことも重要となるでしょう。
自身の企業においても、サブスクリプション型ビジネスを成功させるために、他社で行っている事例をヒントにしながら上記で紹介した成功に導くためのポイントを参考に展開してみてください。
自社だけではサブスクリプション型ビジネスの構築が不安な場合は、ツールの活用や専門家でもあるコンサルティング事業者のサポートなどを受けながら、体制を構築していきましょう。