40歳を迎えると、現職でのスキルアップや転職に加えて起業を選択肢に入れる方も多いでしょう。
近年起業は珍しいことではなくなり、若くして独立し成功をおさめている人も増えてきています。40歳からの起業では遅いと考える人もいるかもしれませんが、40歳から起業して成功する人も多いです。
本記事では、40歳から起業することのメリットやデメリット、成功させるポイントなどを紹介します。起業を考えている人は参考にしてみてください。
目次
40歳は遅い?起業のメリット・デメリット
40歳からの起業には、メリットもデメリットもあります。起業を考えているのであれば、メリット・デメリットを理解してから起業の準備をしましょう。40歳から起業のメリット・デメリットについてご紹介します。
40歳から起業するメリット
40歳から起業するメリットは、何と言っても、これまで築いてきた人脈や経験をフル活用できることでしょう。今まで築いてきた人脈や社会人としての豊富な経験、培ってきた専門技術、マネジメント能力は、事業を始めるにあたり大きな強みとなります。
起業を考えるのであれば、自分の人脈をフルに活かして、信頼できる人に相談してみましょう。今まで気づいていなかった、起業のヒントや自分の強みが見つかるかもしれません。
また、資金面でも40歳からの起業にはメリットがあります。国や自治体がおこなっている40歳以上を対象とした助成金を受けることができるのも、40歳からの起業ならではです。
起業には何かと資金が必要ですが、返済のリスクを考えると融資以外の方法を模索するほうが得策です。助成金であれば返済の必要はなく、条件を満たしていれば審査なしで利用できるケースがほとんどなので、利用することを検討しましょう。
40歳以上で利用できる助成金にはいろいろありますが、代表的なものは厚生労働省の「生涯現役起業支援助成金」です。他にも自治体によって助成金制度を設けているところがあるので調べてみましょう。
40歳から起業するデメリット
40歳からの起業のデメリットは、失敗した場合のやり直しが難しいことです。特に事業に多くの資金をつぎ込んで失敗してしまうと、負債を抱えたまま残りの人生を過ごすことになります。
起業に再チャレンジする資金を作ることはもちろん、十分な収入が得られる再就職も難しく、生活に影響が出ることは避けられません。
また、起業後も軌道に乗るまでは休みなく仕事したり、金銭的にも苦しかったりと、厳しい生活を余儀なくされる可能性もあります。家族がいる人は、家族を苦しい生活に巻き込んでしまうかもしれません。
加えて、40歳ともなると経験が強みになる一方、従来のやり方や考え方、プライドが邪魔をして柔軟な発想や考え方ができないことも多く、豊富な経験が事業をする上での妨げになることもあります。
会社ではそれなりの地位を築いてきた人でも、起業はゼロからのスタートです。謙虚な心と柔軟な思考を持って経営に臨まなくては成功できません。
40歳から起業する人の特徴
40歳から起業するのは、専門技術がある人や自分の人生をより充実させたいと思っている人が多いです。どのような技術を持っている人が起業するのか、なぜ起業しようと考えたのかを紹介します。自身もあてはまるかどうか考えてみましょう。
専門技術がある人
専門職についている人は、独立を視野に入れて仕事をしている人も多いです。調理師であれば飲食店、美容師であれば個人の美容院など、専門技術があると独立のイメージがわきやすいからかもしれません。十分な経験と実績を得た40歳になり、それらを武器に独立しようと考えて起業するのでしょう。
自分の人生をより充実させたい人
技術力がなくても、若いときにやりたいと思っていたことにチャレンジしたい、もっと自分の人生を充実させたい、という思いから起業に踏み切る人もいます。40歳から何かを始めようと思うと制約も多く、体力的精神的に厳しいのではないかと考える人が大半かもしれません。
しかし、自分の人生をより充実したものにしたいと考えるエネルギッシュな人には、年齢は関係ないでしょう。何歳からでもチャレンジしていきたいという人が40歳から起業する人には多いのです。
起業を成功させる3つのポイント
40歳からの起業を成功させるために重要な、3つのポイントをまとめました。
1.健康管理
起業に限らず、体は大事な資本です。健康でなければ働くこともままなりません。特に起業は精神的にも体力的にも、会社員時代に比べて負担がかかります。仕事の量も、時間も、売り上げもすべて自己責任です。
きちんと仕事をするためには、健康でなくはいいパフォーマンスは出ません。起業して経営を長く続けていくことを考えれば、健康管理はしっかりと行う必要があります。
2.緻密な計画と確実な仕事
40歳からの起業では、大きな失敗はできません。自分のやりたい仕事であっても、市場のニーズに合っていなければ軌道に乗せることはできないのです。失敗しないためにも、経営をシミュレーションして、事業計画を緻密に練っておきましょう。
可能であれば事前に市場のニーズを調べてまとめ、売り上げの見込みや仕入れの計画を練ります。仕事をスタートさせてからどれくらいで利益が出るのか、そのために必要な経費はいくらなのかなど、細かいところまで作り込むようにしましょう。
また、事業内容も確実に利益が得られる仕事を選ぶようにします。起業したビジネスを本業とするつもりなら、博打的な仕事は避けたほうがいいでしょう。
初期投資が抑えられる仕事や、無店舗でできる仕事、仕入れや在庫が発生しない仕事など、経営上のリスクを軽減できる事業を選ぶようにします。どの分野で起業するのかを決める際は、事業の特徴をよく調べておくことが肝要です。
3.事前の調査と相談
起業するにあたり、会社員をやめてから起業のアイデアを探したり計画を練ったりする人もいますが、可能であれば会社員で仕事しているうちに事前の調査をしておきます。平日の仕事終わりや休日を使って、本やネット、セミナーなどを利用して情報を集めましょう。
また、起業は精神的にも大きな負荷がかかるため、起業の準備は信頼できる人に相談しながら進めることをおすすめします。自分の周りに相談できる人が2〜3人いれば理想的です。
40歳からの起業のアイデア
40歳から起業する上で、おすすめのアイデアをご紹介しましょう。
アイデア1.週末起業
40歳からの起業を考えるのであれば、まずは週末起業からスタートするのがいいでしょう。前述したように会社員として安定した収入が得られるうちに、できる限りの準備は進めておきたいものです。
起業する人が増えてきた今、同じように土日の時間を有効活用したいと考えている人は多く、週末起業に関するコミュニティやセミナーがあります。ネットでも見つけられるので探してみましょう。
アイデア2.フランチャイズ
コンビニやカフェなどのフランチャイズも、おすすめしたい起業アイデアのひとつです。40歳での起業であれば、ある程度の貯蓄もありますし、前述したように助成金が得られる見込みもあります。
フランチャイズ経営は本部のブランド力を借りられることや、店舗や商材、販路が揃っているため、未経験からでもスタートしやすいのがメリットです。フランチャイズは参入資金が高いため、20代・30代で取り組むのは現実的ではありませんが、貯蓄や助成金のあてがある40歳は、比較的参入しやすいでしょう。
特に、部下を持った経験やマネジメントの経験がある人は、フランチャイズオーナーに求められるマネジメント力に経験を活かせます。
40歳から起業した人たちの成功事例
40歳を超えて起業し、成功している人たちは多いです。40歳からの起業で成功した人たちの事例を見て、成功をイメージしてみましょう。
成功事例1:副業スタートの女性
ある女性は、それまでの仕事の経験を活かし、収納アドバイザーとして起業しました。最初はご主人が病気になったことをきっかけに、副業としてスタートしたそうです。
片づけられない人たちをサポートする仕事である収納アドバイザーに、自分もなりたい!という思いを持つ人を募って開業し、アドバイザーの仕事だけでなく、人材育成も始めたのです。
まずは副業からスタートしたことと、育成も同時に進めたことが成功につながりました。
成功事例2:趣味を事業に変えた男性
幼いころからボーイスカウト活動に参加し、キャンプに親しんでいたある男性は、週末のキャンプ体験を事業として成功させました。
東日本大震災で多くの人が電気や物流に頼れない生活を強いられたことで、いざというときに自然の中でも生活できることの重要性に焦点をあてたのです。
特に都市部での需要は高く、管理されたアウトドアではなく本来の自然の中で生活できるようプランニングされた「週末冒険」は、多くの人の心を掴むようになりました。
成功事例3:海外での成功者たち
海外に目を向けると、40歳を超えて起業し成功した著名人も多いです。今や世界中に店舗を持つ衣料店「GAP」の創設者であるドナルド・フィッシャー氏は、小売業が未経験だったのにもかかわらず40歳で初めて出店し、成功を収めました。
また、世界最大といわれる小売業者「ウォルマート」が最初に創設されたのも、創設者であるサム・ウォルトン氏が44歳のときです。サム・ウォルトン氏はそれまでも小売業に参入していましたが失敗も経験し、「ウォルマート」を創業から40年で売上高世界1位にまで成長させました。
まとめ
40歳から起業するときに知っておきたい成功のポイントや、実際の成功例などをまとめました。
人生経験も仕事の経験も豊富な40歳は、起業するうえで必要な人脈や専門知識があるうえに、資金面においても有利な面が多い年代です。しかし、失敗すると再出発が難しかったり、プライドや経験がネックとなり柔軟な発想ができなかったりなど、40歳ならではデメリットもあります。
40歳からの起業を考えるのであれば、健康管理をしっかりと行い、緻密な計画を立てて確実な仕事を選び、事前の調査をするようにしましょう。そして、周りの人に相談をしながら、起業の準備を進めることをおすすめします。