個人の起業において、他との差別化を図るのであればアイデアが勝負です。また、初期投資にお金をかけないアイデアであることも重要なポイントでしょう。本記事ではアイデアの概念や起業アイデアの見つける方法、個人起業で成功の確率が高いアイデアの特徴などについて解説します。
アイデアとは頭の中で考え出されたもの
アイデアとは、問題解決のために頭の中で考えたもので、発想や企画とは違う意味を持っています。また、かける時間や求められている力も異なりますが、3つとも起業には欠かせない要素です。
アイデアと発想、企画とはどのような違いがあるのか、それぞれの概念について解説します。
アイデアと発想の違いとは?
アイデアと発想の大きな違いは、「目的」です。アイデアが何かの問題を改善するために考えられたものであるのに対して、発想は問題解決の方法ではなく、頭の中に浮かんだ全てのことを指しています。
つまり、アイデアは既存の方法に対する「改善点」「新しい組み合わせ」ですが、発想は「思いつき」「心に残った考え」なのです。
また、両者は思考する時間にも違いを見て取れます。アイデアは問題解決のために頭の中で考えて生み出されたものなので、時間がかかっています。一方、発想はハッと思いついたものなので、時間はかかっていません。
つまり、アイデアには論理力が、発想にはひらめき力が必要なのです。起業においては、どちらも必要な力なのでぜひ身につけましょう。
アイデアと企画の違いとは?
アイデアと企画の違いは「行動に移しているかどうか」です。アイデアは問題解決の方法を頭の中で考えます。一方で企画は実現すべき物事の内容を考え、実現に向かった計画を立てることを意味します。
つまり、アイデアは頭の中で考えている段階であり、企画は考えを実現するために計画を立てることなのです。アイデア出しでは、実現可能か不可能かは重要なポイントではありません。
なぜなら、大胆なアイデアをたくさん出すことで、革新的なアイデアにつながるからです。しかし、企画は実現可能なものでなければいけません。実現に向けての予算や人手、技術や予定など細かな情報を加味した上で立案することが企画には必要なのです。
個人が起業アイデアを見つける方法
収益につながるような革新的なアイデアを見つける方法がわからないという人も多いでしょう。ここでは起業アイデアの見つけ方について解説します。
自分の特技や好きなことから考える
まずは自分の特技や好きなことの中から、起業につながるアイデアがないかを考えてみましょう。特技や好きなことから考えることで、より深く、楽しみながら探求できます。
さらには起業の段階で、ある程度の知識と技術を習得しているため、商品やサービスの開発にも移行しやすいです。一見起業アイデアとは無縁と感じるような特技や好きなことの中に、大きなチャンスが眠っている可能性も十分に考えられます。
既存ビジネスの成功理由を見つける
既存ビジネスに注目し、なぜ成功しているのか分析することも起業アイデアの発見につながります。成功しているビジネスには何らかの理由があるはずです。
その理由を自身に照らし合わせ、共通する部分があれば起業アイデアに取り入れます。ただし真似るのではなく差別化を図り、独自性のあるアイデアに変換しましょう。
日常生活にある不足や不便を洗い出す
自分が思いつく日常生活にある「不足」や「不便」をすべて洗い出してみましょう。日常生活を送る中で自分が不便に感じる点は、他者も同じく不便に感じているかもしれません。
より多くの人が不便に感じていることはビジネスとして成立しやすく、不足や不便を解消できる商品やサービスを開発できれば大きな収益を見込める可能性があるのです。日常生活から不足や不便に対してアンテナを張り、起業アイデアを探すクセをつけましょう。
家族や友人の悩みを聞いてみる
家族や友人が抱える悩みも起業アイデアのヒントになります。気心の知れた知人からなら悩みの内容を深く掘り下げて聞けるため、商品やサービスの開発に有効な情報を得られるでしょう。
親戚などを中心に幅広い年齢層の人に意見を求めることで、サービスや商品のターゲットも絞りこみにも活かせます。アイデアが思いつかなくなったら、身の回りの家族や友人に声をかけ、積極的に意見を取り入れてみましょう。
既存ビジネスの抜け穴を探す
すでに成功しているビジネスの抜け穴を探すのも有効な方法の1つです。成功しているビジネスの改善点を探し、それをカバーするためのアイデアが起業アイデアにつながる可能性があるのです。
完璧と思われるサービスにも何らかの改善点が必ず存在します。もし自分が持つ技術や経験がその改善に活かせる場合は、起業アイデアの活用はもちろん、既存ビジネスを持つ会社に直接売り込むことも可能です。
新しい商品やサービスを生み出すことだけが起業アイデアではありません。既存の商品やサービスの改善点に目を向け「どうすればもっとよくなるのか」と考えることも起業のアイデアの創出につながります。
個人でも成功しやすい起業アイデアの特徴
個人でも成功しやすい起業アイデアには、大きな資金を必要としないものが多いという特徴が見られます。リスクが高い、大きな資金を必要とする起業は個人に向いているとは言い難いです。個人起業で成功しやすい起業アイデアを紹介します。
インターネットを活用したビジネス
インターネットを活用したビジネスに関するアイデアであれば、個人でも成功しやすいでしょう。最初に必要な投資はパソコンとインターネット代くらいであるため、初期投資の少ない点が成功しやすいポイントです。
ブログやアフィリエイトなど、インターネット上で完結するビジネスなら、商品やサービスの開発にまとまった資金は必要ありません。インターネットを活用し、初期投資を抑えた起業アイデアを考えてみましょう。
自分の得意分野やスキルを活かせるビジネス
これまでに培った自分の得意なことやスキルを活かせるビジネスも成功しやすいでしょう。起業アイデアとしては、得意分野に関する教室や、高い専門性が求めれる技術を講義するセミナーが考えられます。個人レッスンなどもいい起業アイディアでしょう。
一見自分にとっては当たり前となっているものであっても、他の人から見れば教えて欲しいという需要があるかもしれません。特に専門性が高いものや技術を必要とするものは、ビジネスとして成立する可能性が高いでしょう。
初期費用を抑えられるビジネス
起業の大きな足かせとなるのは資金であるため、初期費用を抑えられるビジネスは何かを考えてみましょう。
一例として、代行サービスが考えられます。運転代行や家事代行などさまざまな代行サービスの需要は高いです。さらにニッチな内容での代行サービスのアイデアであれば、成功する可能性が高いでしょう。
資産をシェアするビジネス
保有する資産がある人なら、資産をシェアするビジネスでの起業がおすすめです。マンションや土地といった不動産だけでなく、車やカバン、高級時計などのシェアリングも需要が拡大しています。
シェアビジネスを始めるにあたり、新たに購入するに資金が必要ですが、すでに所有しているものを利用すれば、初期投資は不要です。空き家や空きスペースなどの空間や場所のシェアも需要が高いため、ビジネス化できる資産を保有している人にはおすすめします。
スマホやSNSの普及もあり、シェアビジネスの需要は高いです。自分が所有するものをチェックして、どのような需要があるかを考えてみましょう。
起業アイデアの4つのチェックポイント
起業アイデアを考えるにあたり、ある程度の条件を決めなければアイデアがまとまりせん。ポイントを絞った起業アイデアの創出が、起業を成功させるためには重要です。ここでは起業アイデアの4つのチェックポイントを解説します。
1.自分がワクワクできるか
そもそも自分自身がワクワクできるかは重要なポイントです。もし成功が見込める起業アイデアが浮かんだとしても、計画を立て実行するのは自分自身がワクワクできなければ、起業後の事業継続を苦痛に感じてしまうかもしれません。
浮かんだアイデアに対して、自分がワクワクするかを冷静に考えてみましょう。
2.マーケットの拡大は期待できるか
将来的にマーケットの拡大が期待できるかも大切なポイントです。起業から5年後にマーケットが成長しているか、または衰退しているかで事業の持続性が決まります。
長く事業を続けていくためにも、浮かんだ起業アイデアのマーケットは成長する見込みがあるのかどうかも考えましょう。
3.そもそも収益化できるか
アイデアを思いついたら、収益が出せるかどうかを考えてみましょう。どれほどいいアイデアであっても、収益が得られなければ、事業としては成り立ちません。
時間をかけてでも、収益が出るビジネスモデルを構築できるアイデアであるかを検討してください。商品の販売方法や仕入れに関しても細かく調べて、収益をきちんと得られるビジネスモデルを構築してみましょう。
あらかじめビジネスモデルを構築しておくことで、起業後に起こるトラブルにも役立ちます。
4.誰かを喜ばせることができるか
自分の起業アイデアで誰かを喜ばせることができるかもチェックしてみましょう。多くの人が不便に感じているところにビジネスチャンスが眠っています。
どんなに素晴らしいアイデアでも「不便を解決できない」「誰の役にも立たない」ならビジネスにはつながりません。浮かんだアイデアは誰かの不便を解決できるという点に重きを置き、チェックしてみてください。
まとめ
個人での起業の成功は、アイデアによる差別化にかかっていると言っても過言ではありません。ビジネスチャンスは日常生活の中に眠っていることも多いです。
「世間が求めているものは何か」「不便を解決できることはないか」「自分の持っているものでビジネスできないか」など、身近なところからアイデアを探してみましょう。
インターネットの普及により、まとまった資金がなくても起業できるビジネスが増えてきています。個人で起業を検討している人は、誰かの悩みを解決できる起業アイデアを考えてみてください。