ベビーフェイス効果とは、赤ちゃん顔と似た特徴をもった顔を見た場合、緊張がゆるんで警戒心がなくなってしまうよう心理状況の事を言います。
人間に作用する心理的効果の一つであるベビーフェイス効果について詳しく解説していきます。ベビーフェイス効果が引き起こされる原理やビジネスに活用する方法などについても紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
ビジネスをおこなっていく上で顧客やユーザーに親近感を抱いてもらうのはとても重要なことの一つです。
しかし、顧客やユーザーの心をつかむというにはそう簡単にできることではありません。
実際にその点で苦労しているという企業も多いのではないでしょうか?
しかし、ある心理学のテクニックを使えば、顧客やユーザーに親近感を抱いてもらえるようになったり、親近感を抱いてもらうきっかけを作ることができるようになります。
そして、その心理学のテクニックというというのが、今回紹介していく「ベビーフェイス効果」です。
この記事では、顧客やユーザーとの距離を縮めるのに役立つベビーフェイス効果について詳しく解説していきたいと思います。
ベビーフェイス効果はマーケティングやデザインに活用できるとても便利な心理学的テクニックの一つで、さまざまな分野で活用していくことができるので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ベビーフェイス効果とは

まず初めに、ベビーフェイス効果の概要についてみていきましょう。
ベビーフェイスを日本語に訳すと赤ちゃんの顔となりますが。
つまり赤ちゃんの顔や赤ちゃんのような特徴を持った顔を見ることで得られる効果となります。
私たち人間は、赤ちゃんや赤ちゃん顔と似た特徴をもった顔を見た場合、緊張がゆるんで警戒心がなくなってしまうようになっています。
と同時に、親近感を抱くようにもなります。
これがベビーフェイス効果がもたらす心理学的な効果というわけです。
ベビーフェイス効果が働く理由は「ベビースキーマ」にある

では、なぜ私たちは赤ちゃんの顔を見ると緊張がとけて警戒心が緩み、親近感を覚えてしまうのでしょうか?
その秘密は「ベビースキーマ」にあります。
ベビースキーマというのは、赤ちゃんや赤ちゃんと同じような特徴を備えた容姿の人、動物、キャラクターに備わっている外見的な特徴のことを指した言葉です。
私たちは、ベビースキーマを持った人や動物、キャラクターを見ると本能的に安心し、警戒心が緩んでしまうようになっています。
それと同時に、かわいいといった感情や守ってあげたい・優しくしてあげたいという感情も生まれるため、その人物や動物、キャラクターに親近感を覚えるようになるわけです。
ベビースキーマの外見的特徴
ベビースキーマを持った人物や動物、キャラクターには、以下のような外見的特徴があります。
頭が大きい
額が広い
顔の幅が広い
大きな目
顔の彫りが浅い
鼻が小さい
鼻の幅が広い
顎が小さい
手と足が短い
手と足が太い
目が顔の中央より下に位置している
体が全体的に丸みをおびている
柔らかさをイメージできる体
私たちはこのような特徴を持った人物、動物、キャラクターに愛着を感じるようになっているわけです。
つまり、このような特徴を備えていれば、必ずしも赤ちゃんである必要はないわけです。
そのため、童顔顔の大人でもベビーフェイス効果を発揮できる可能性はありますし、動物やキャラクターでも効果を発揮できる可能性があるわけですね。
ただし、動物やキャラクターでもベビースキーマ的な特徴を備えていない場合は効果を発揮することができないようになっているため注意しましょう。
ベビーフェイス効果の活かし方

顧客やユーザーの緊張や警戒心を和らげ、逆に親近感を抱かせることのできるベビーフェイス効果ですが、ビジネスに活かしていきたい場合、どのようにして活かしていけばいいのでしょうか?
ベビーフェイス効果は、主に企業のマーケティング活動やウェブサイトのデザインなどに活かすことができます。
それぞれの活かし方について詳しくみていきましょう。
1. マーケティングに活かす
ビジネスでベビーフェイス効果を活かすことができる分野の一つがマーケティングです。
マーケティングにベビーフェイス効果を活かすことで顧客やユーザーとの距離が縮まり、商品の購入やサービスへの加入を促すことができるようになります。
では、そのベビーフェイス効果をマーケティングにどのように活用していけばいいのかについてですが、いくつか具体的な例をあげて紹介していきたいと思います。
まず、最もスタンダードな活用法と言えるのが、CMへの活用です。
赤ちゃんや動物をCMに起用することで、顧客やユーザーに親近感を感じてもらい、商品やサービス、企業に興味を持ってもらうわけです。
最近は空前の猫ブームですが、そういったこともあり、やたらと猫が出てくるCMが増えてきたと思いませんか?
一昔前までは猫が出てくるCMと言えばキャットフードなど一部のCMぐらいでしたが、最近ではインテリアショップのCMにも猫が起用されるようになってきています。
それほど猫の人気が高く、ベビーフェイス効果による心理的な効果も大きいということですね。
また、やたらと数が増えてきているゆるキャラですが、ゆるキャラもベビーフェイス効果を活用したマーケティング方法の一つです。
先ほどベビースキーマについて解説しましたが、ゆるキャラのほとんどがベビースキーマの特徴を活かしたデザインになっています。
そのため、ちょっと増えすぎ・やり過ぎな感じはあるものの、ゆるキャラを嫌う人よりも好む人の方が圧倒的に多くなってきているわけです。
2. デザインに活かす
ビジネスでベビーフェイス効果を活かすことのできる分野の二つ目が、デザインです。
商品のパッケージやホームページ、インターネットで配信する広告など、ビジネスに関わるありとあらゆる部分のデザインにベビーフェイス効果を発揮する赤ちゃんや動物、キャラクターなどを配置していきます。
そうすることで顧客やユーザーに親近感を感じてもらえるようになるわけです。
また、パッケージやホームページなどにベビーフェイス効果を発揮してくれる赤ちゃんなどを配置することで、顧客やユーザーの警戒心を解くこともできるようになります。
匿名性の高いウェブ上のコンテンツはユーザーの警戒心が高くなりがちなので、ベビーフェイス効果を上手く活用していくことで高い効果が得られそうですね。
ベビーフェイス効果をビジネスに活用するときの注意点
ベビーフェイス効果はマーケティングやデザインなどビジネスの分野にも活用することができると解説してきましたが、実際に活用する場合いくつか注意しなくてはいけないポイントがあります。
ベビーフェイス効果をビジネスで活用していくときに注意すべきポイントの一つ目が、違和感です。
ベビーフェイス効果はさまざまな業種で活用されていますが、中にはマッチしない業種もあります。
そういった業種のマーケティングやデザインに無理やりベビーフェイス効果を活用すると、顧客やユーザーが違和感を感じてしまい、逆に不信感や嫌悪感を感じさせてしまう可能性があります。
また、ベビーフェイス効果の活用のし過ぎにも注意が必要です。
毎回CMや広告、商品のパッケージに赤ちゃんや動物を使ってしまうと、顧客やユーザーが「またか…」と感じてしまい、ベビーフェイス効果を感じなくなってしまう可能性があります。
ベビーフェイス効果を活用するときには、この2点に注意しながら活用していくようにしましょう。
まとめ
顧客やユーザーとの距離を縮めていきたいと考えている方のために、顧客やユーザーとの距離をグッと近づけるのに役立つ心理学的テクニック、「ベビーフェイス効果」について詳しく紹介してきました。
今回紹介してきたように、ベビーフェイス効果を上手く使いこなすことができれば、顧客やユーザーとの距離はグッと縮まります。
親近感が生まれ不信感を払拭することができると、その後のマーケティングやセールスが何倍もやりやすくなるので、ぜひ積極的に活用していくようにしましょう。
ただし、最後の項目で紹介した通り、ベビーフェイス効果の活用が向かない企業や商材もあります。
そういった場合、無理やりベビーフェイス効果を取り入れようとすると違和感が生まれ、顧客やユーザーとの距離が逆に広まってしまうため、そういった企業や商材では使わないようにしましょう。
また、いくら効果が見込めるからと言ってしつこいのもNGになるので、その点に関しても気をつけるようにしてください。
ちなみに、下記のページではベビーフェイス効果の他にも、仕事に活用できる心理学について解説していますので、参考にしてください。