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SDGsアクションプランを解説!企業や個人にできることは何か

ACTIONCボタンを押そうとする

SDGsアクションプランは、SDGs達成のために開発された日本独自のプランです。特に2020年12月に公表された「SDGsアクションプラン2021」は、2020年に世界を襲った新型コロナウイルスの影響も踏まえたうえでの具体的な施策ということもあり、注目を浴びています。

この記事ではSDGsアクションプランや、実践していくために必要なことを詳しくご紹介しましょう。

SDGsとは?

SDGsと書かれた黒板

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、「持続可能な開発目標」と翻訳されています。具体的な目指す姿を確認しておきましょう。

国連が採択した世界の共通目標

2015年に、国連によって採択されたSDGsは、2030年までに達成すべきとされる世界の共通目標です。

SDGsは、これまでも問題視されつつ遅々として進まなかった貧困や社会環境の改善、エネルギーの消費量や地球の環境保全などの問題に、世界一丸となって取り組み達成することを目的としています。SDGsに掲げられた17の目標の達成により、世界の諸問題が解決することを期待されているのです。

「誰一人取り残さない」が原則

SDGsは原則として「誰一人取り残さない」という概念を重視しており、発展途上国のみならず、先進国も先陣を切って取り組む課題とされています。日本でも企業や団体、個人に呼びかけ、国を挙げて積極的に取り組んでいくことが理想です。

SDGsアクションプランとは

SDGsのようなカラフルな色

SDGsアクションプランは、日本のSDGs推進本部がとりまとめている具体的な施策のことです。SDGs実施方針で掲げられた8つの優先課題に対して推進されるもので、「日本のSDGsモデル」の構築を目指して毎年アップデートされています。

8つの優先課題

SDGsアクションプランで掲げられる施策の元となっているのが、下記の8つの優先課題です。これらはSDGsを大まかに分類した「5つのP」すべてにあてはまる内容となっています。

(People 人間)
1.あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
2.健康・長寿の達成

(Prosperity 繁栄)
3.成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
4.持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備

(Planet 地球)
5.省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
6.生物多様性、森林、海洋等の環境の保全

(Peace 平和)
7.平和と安全・安心社会の実現

(Partnership パートナーシップ)
8.SDGs 実施推進の体制と手段

引用:首相官邸|SDGs実施指針改定版

2019年にはジェンダー平等、防災や気候変動が優先課題に含まれました。これは日本のジェンダー平等に対する取り組みが遅れているためと考えられるでしょう。

SDGsモデルの3つの柱

日本のSDGsモデルを達成する上で、中核となる3つの柱が設定されています。8つの優先課題を別の角度から見ることができ、且つ具体的な行動に落とし込みやすい内容です。

1つめの柱である「ビジネスとイノベーション ~SDGsと連動する「Society5.0」の推進~」は、ビジネスと科学技術分野における取り組みです。ここに述べられている「Society5.0」とは内閣府が提唱する日本の次世代社会のビジョンを指します。

科学技術の活用で少子高齢化や過疎化、貧富の格差といった社会問題を解決できるとしており、EGS投資の後押しや企業がSDGsに取り組みやすくなる環境の構築もおこなっていきます。

2つめの柱である「SDGsを原動力とした地方創生、強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり」は、SDGsの達成を目指すと同時に地域を活性化させようという取り組みです。具体的にはSDGs未来都市の選定やクリーンエネルギーによるインフラ強化、また循環共生型社会を実現するための「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」への対策も含まれます。

3つめの柱「SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント」は、次世代を担う若者や女性の活躍を後押しする取り組みです。多様な人材を採用しようという取り組みであるダイバーシティやバリアフリーの推進を目指しています。

改定されるSDGs実施指針

SDGsアクションプランの元となっているSDGs実施指針は、日本独自の中長期国家戦略です。SDGsに掲げられている17のゴールの中には、日本では既に達成されている目標もあります。そのため、日本がSDGsを達成していくために国内外でできることを実施指針としてまとめました。

SDGsは年々達成されるべきものなので、当然SDGs実施指針も必要に応じて改定される必要があります。2018年のアクションプランには2019年に実施指針を改定する計画が盛り込まれており、計画通り2019年にはSDGs実施指針改定版が発表されました。

過去のSDGsアクションプラン

SDGsアクションプラン初年度であった2018年は、8つの優先課題と3つの柱に加え、2030年の達成までにSDGsアクションプランをどのように推進していくか、という全体的な流れが明示されていました。

2019年6月に大阪サミットにおいてこれまでの実績を提示し、G20議長国としてリーダーシップを発揮したことを追記しています。2020年には2030年の達成への道のりを「行動の10年」として、より具体的な施策やSDGs達成に向けたイベントについて述べています。

※従来であれば6月に拡大版が発表されますが、2020年は新型コロナウイルスの影響もあり6月の更新ではなく、12月に2021年版が発表されました。

2021年のSDGsアクションプランを解説

2021年の右肩上がりのグラフ

2020年12月、SDGsアクションプラン2021が決定されました。新型コロナウイルスのパンデミックにより、これまで順調に進めてきていたSDGs達成への道のりも大幅に軌道修正する必要があります。SDGsアクションプラン2021の具体的な内容をご紹介しましょう。

新型コロナウイルスの影響

新型コロナウイルスが蔓延し始めたのは、2030年までの10年を達成に向けて加速するための「行動の10年」と定めた直後のことでした。世界的なパンデミックは世界中の人の生活・健康・命・尊厳を脅かすこととなり、SDGsへの達成が大幅に遅れることが懸念されているのです。

そのため新型コロナウイルスに打ち勝つだけでなく、国際社会で連携し「よりよい復興」に努めていくことを重視しました。ウィズ・コロナ、ポスト・コロナと呼ばれる時代における「誰一人取り残さない」社会の実現のため、革新的なイノベーションや人々の意識の改革の必要性についても盛り込まれてます。

政府が取り組む4つの重点事項

SDGsアクションプラン2021において、政府が取り組むべきとしている4つの重点事項があります。これまでの3つの柱をもとに、感染症対策がプラスされました。

1.感染症対策と次なる危機への備え

蔓延している新型コロナウイルスへの対策として、ワクチンの開発や診断、治療が公平に行き渡るように体制を整えることが具体的な行動の一つです。

また現在の状態を乗り越えたとしても、次なる危機が襲ってこないとも限りません。そうなったときのために保健所の機能強化や治療における体制の強化をおこない、感染症にかかりにくくするための衛生環境を整えることをあげています。

2.よりよい復興に向けたビジネスとイノベーションを通じた成長戦略

新型コロナウイルスの影響によって、企業のテレワークや消費者のキャッシュレス化が急激に普及しました。今後は、すべての人がデジタル化を受け入れられる体制を整備することが求められるでしょう。

また、テレワークをはじめとするワーク・ライフ・バランスの実現を通じ、ディーセント・ワークを実現すること、ESG投資を通じて企業にSDGsへの取り組みも促す必要があります。

そうした背景に鑑みて、バイオ戦略やスマート農林水産業の推進といった科学技術イノベーションを加速させ、持続可能な循環型社会の実現を目指すことが施策としてあげられました。

3.SDGsを原動力とした地方創生、経済と環境の好循環の創出

SDGsを原動力とする地方創生を推進するため、政府はSDGs未来都市、地方創生SDGs官民連携プラットフォーム、地方創生SDGs金融といった国内の施策をおこなうとしています。また「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の実現に向け、ごみ対策や海洋資源保全といった活動もここに含まれました。

4.一人ひとりの可能性の発揮と絆の強化を通じた行動の加速

この項目で、政府は女性の活躍の場を設け、ダイバーシティ、バリアフリーを推進する意思を表明しました。 可能性を持つすべての人への投資をおこない、誰もがのびのびと自分の能力を発揮できる社会づくりを目指します。

教育現場における子どもの貧困問題の解決、教育のデジタル・リモート化とESD(持続的な開発のための教育)の推進といった、次世代にSDGsの価値観を浸透させていくための施策もこの重点事項に含まれるでしょう。

SDGsアクションプランを活かすには

アイディアを思いついた女性

SDGsアクションプランを知ったところで、実際に活かしていくためにはどのようなアクションが必要になるでしょうか。

【企業】自社と関係のありそうな施策を選ぼう

企業でSDGsアクションプランを実践するには、自社と関係のありそうな施策を選ぶのがポイントです。アクションプランには具体的な施策が多数提示されています。

企業で SDGsアクションプランに取り組む場合、社員の協力は必要不可欠なのですが、達成期限である2030年まで残り10年となった2020年時点でも、SDGsに対する認知度は依然として低いままと言っても過言ではありません。まずは企業内で、SDGsへの理解を深めていくことからはじめてみましょう。

社内での理解が深まり、自社の方向性が決まったら、アクションプランに提示されている施策内容をインターネットで検索してみてください。SDGsアクションプランに掲げられている具体策を実践しているのは関係省庁なので、自社で取り組もうとしている施策をどのように実践すべきか、各省庁に確認すればより具体的な方法が見つかるでしょう。

【個人】SDGsの活動に飛び込んでみよう

SDGsアクションプランの施策を実践するためには、組織力や資金力が必要なので、個人の活動で結び付けるのは少々厳しいかもしれません。しかしSDGsアクションプランを見れば、日本が国内外に向けてSDGsの活動をどのように推進していこうとしているのかを知ることができます。

日本の取り組みを知ったうえで、身近でSDGsに関する活動があれば積極的に飛び込んでみましょう。セミナーやゲームへの参加でもいいですし 、SDGsに取り組んでいる企業の商品を購入でも構いません。SNSで企業の活動をシェアすることもSDGsに関する活動につながるでしょう 。

まとめ

ひらめきの電球を持つ手

SDGsアクションプランは2030年の達成に向けた日本オリジナルの具体的な取り組みです。 SDGsの達成に近づくためには、より多くの日本人が意識して取り組んでいくことが必要なので、SDGsを知らない人がいたら詳しく説明してあげましょう。