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SDGsの目標2「飢餓をゼロに」は世界ではなく私達の取り組み

熟したトマト

SDGsの目標2に掲げられているのが「飢餓をゼロに」になります。これは、全ての地域の人々に対して十分な食料を確保することを目標としたものです。

本記事では、SDGsの目標2における概要や取り組み事例などを解説し、私達がどのような形で貢献するべきかを紹介します。

SDGsの目標2「飢餓をゼロに」とは?

荷物を降ろして座る男性

SDGs(Sustainable Development Goals)は、2015年の国連サミットで採択されました。国連加盟193ヶ国が2016~2030年の15年間で目指すべき世界的な取り組みで、SDGsでは「飢餓をゼロに」を含む、17の目標と169のターゲットから構成されています。

ここでは主に目標2の「飢餓をゼロに」に焦点を当てて見ていきましょう。

SDGs2は世界から飢餓を無くすための取り組み

SDGs2は世界中の飢餓を解決するために設定された目標になります。食に関するさまざまな技術の進歩などに伴い、世界では十分な食料が生産されているものの、発展途上国には行き届いていないのが現状です。

そこで世界中から飢餓を無くすために、世界の農業技術と生産性の向上を目指しています。また労働者の環境整備も世界の農業発展には欠かせない要素です。

SDGs2の具体的なターゲットは8個

SDGsの目標2に定められている具体的なターゲットは次の8個です。

  • 2.1 2030年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。
  • 2.2 5歳未満の子どもの発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意されたターゲットを2025年までに達成するなど、2030年までにあらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズへの対処を行う。
  • 2.3 2030年までに、土地その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする、小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。
  • 2.4 2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。
  • 2.5 2020年までに、国、地域及び国際レベルで適正に管理及び多様化された種子・植物バンクなども通じて、種子、栽培植物、飼育・家畜化された動物及びこれらの近縁野生種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意に基づき、遺伝資源及びこれに関連する伝統的な知識へのアクセス及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を促進する。
  • 2.a 開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図る。
  • 2.b ドーハ開発ラウンドの決議に従い、すべての形態の農産物輸出補助金及び同等の効果を持つすべての輸出措置の並行的撤廃などを通じて、世界の農産物市場における貿易制限や歪みを是正及び防止する。
  • 2.c 食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場及びデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする。

引用:公益財団法人 日本ユニセフ協会

これらを整備していくためには、世界中からの農業市場への投資や各支援が必要になってきます。

飢餓とは栄養不足により健康を維持できない状態

飢餓とは栄養不足が原因で健康維持ができず、一般生活と生存が困難な状態のことをいいます。世界の5歳未満の子供の死亡原因のうち、約1/2が飢餓による栄養不足です。

SDGs2が必要な理由とは?

ご飯をよそる女性

なぜSDGs2が必要なのでしょうか。ここではSDGsの目標2「飢餓をゼロに」が必要な理由について紹介します。

世界の飢餓人口が年々増加

世界の飢餓人口は2017年から年々増加しています。世界人口の約75億人のうち、9人に1人、約8億人が飢餓に苦しめられているという現状です。

2050年には世界人口は約98億人なるといわれており、このまま対策を講じなければ2050年には約10億人が飢餓に苦しめられることになります。

引用:世界の飢餓人口の増加続く 最新の国連報告書 日本ユニセフ協会

引用:2050年までに10億人以上が避難民に、食料不足や自然災害で=報告 朝日新聞

引用:世界の飢餓人口は3年連続で未だ減少せず 国連WFP

食品ロスへの歯止め

食品ロスも飢餓の原因の1つです。食品ロスとはまだ食べられるものを捨てることを指し、日本の食品ロス量は年間約600万トンにのぼります。

世界の食品援助量は年間320万トンなので、日本の食品ロスは世界の年間援助量の2倍近くになるのです。飢餓をゼロにするには食品ロスの歯止めが急務といえるでしょう。

「飢餓をゼロに」に対して個人で今できること

カットされ、さらに置かれたリンゴ

SDGs2を実現するために、個人でできることは何でしょうか。ここではSDGs2を実現するために「今すぐ」個人でもできることを紹介します。


食べ残しが出ないように工夫する

食品ロスを防ぐには食べ残しが出ない工夫が大切です。外食時に食べきれないほど注文した結果、食べきれず残してしまったという経験は誰しも1度はあるでしょう。

飢餓をゼロにするためにも、食べきれる量だけを注文し、食べ残しが出ないように工夫してみてください。

SNSやブログなどで情報発信

SNSやブログなどで情報発信することも「飢餓をゼロに」を実現するために個人ができることです。SNSやブログで簡単に情報発信や収集できる時代だからこそ、拡散した情報をきっかけに、何らかの行動に移す人が増える可能性があります。

様々な形でボランティア参加

実際の支援で貢献したいという人であれば、ボランティアへの参加も個人でできることの1つです。現地での直接支援やイベント参加など、ボランティアには様々な形があるので、自分にあったボランティアを選ぶとよいでしょう。

飢餓をゼロにするための取り組み事例

畑と朝日

「飢餓をゼロに」といっても様々な取り組みの形があります。ここではSDGsの目標2「飢餓をゼロに」の実現のために、実際に行われている事例を3つ紹介していきます。

持続可能な農業を推進する「キリンホールディングス」

キリンホールディングスでは、スリランカの農園で持続的な農業支援を行っており、国際的な認証制度の取得支援や農業の技術習得、労働環境の整備などにも取り組んでいます。

この取り組みの結果、経費削減などのよる収益構造の改善だけでなく、知見が深まったことで労働者の生活レベルも向上しました。今後は農園への支援を拡大し、2025年までには小規模農園も含めて1万以上の農園の認証取得を計画しているようです。

協働体制より成功した「味の素グループ」

味の素グループは、2009年に「ガーナ栄養改善プロジェクト」を立ち上げて、簡単に栄養バランスを改善するサプリメントを開発しました。これと並行して食品会社への生産技術の指導や現地のビジネスモデル構築などの支援も行っています。

これはSDGsの先駆けとして業界で注目され、お手本ともいえる好例の1つです。

WFPによる人道支援

WEPとは「国連世界食糧計画」と呼ばれる、人道支援機関です。貧困地への食料提供や災害にあった地域への緊急食料支援といった人道支援を行っています。

日本もWFPに拠出して上記の人道支援だけでなく、水田などの整備などを行い、SDGs2達成に向けた取り組みを行っています。

まとめ

砂漠にある緑

今後世界のおける飢餓人口は増加することが予想されます。誰もが最低限の食料を確保するためにも、食料の安定供給に向けた取り組みを継続する必要があるのです。

SDGsの達成はあくまでゴールの1つであり、そこで終了するものではありません。世界の人々が良好な協力関係を築き、未来につなげることが大切です。

一人ひとりが今できることを模索して、飢餓の無い世界を目指していきましょう。