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SDGs経営の基本情報と実際に進めるための5ステップ

高層階にある会議室

世界各国でSDGsに関する取り組みが進められていますが、その流れが経営にも影響を及ぼしていることをご存知でしょうか。

この記事では、SDGsの基礎を知った上で、SDGs経営の基本情報や5つのステップについて紹介します。実際に経営者として活躍している方やこれから起業したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

そもそもSDGsとは?

洋風の壁とドアに書かれたクエスチョンマーク

SDGsはSustainable Development Goalsの略称であり、日本語に訳すと持続可能な開発目標となります。

とはいっても、具体的にどのような目標が掲げられているのか知りたい方もいることでしょう。そこで、SDGsが掲げている目標や話題になっている理由などを紹介します。

SDGsが掲げる目標

SDGsは、17個の目標を掲げています。具体的には「貧困をなくそう」や「産業と革新技術の基礎をつくろう」、「平和と公正をすべての人に」などです。これらは、国連に加入している全ての国が取り組む目標であり、日本はもちろんのこと、欧米諸国も取り組んでいます。

SDGsについてより深く理解したい方は、こちらの記事を参考にしてください。

SDGsをよく知るために!イメージしやすい「5つのP」とは何か?

SDGsが話題になっている理由

SDGsについてテレビやネットニュース、SNSなどで知った方もいるかもしれませんが、なぜここまで話題になったのでしょうか。その理由としては2つ挙げられます。

1つ目は世界全体で危機意識が高まっているためです。

近年多くの国で、温暖化や異常気象といった環境問題が発生しています。また、貧困や紛争などの人的な問題も危機意識を高めている要因です。このような状況から、世界全体で変えなくてはいけないという動きが起きています。

2つ目は、過去の目標が成功したためです。

SDGsの前に、国連はMDGsというものを掲げていました。MDGsはミレニアム開発目標というもので、開発発展途上国に関するものでしたが、一定の成果を出すことに成功した経緯があります。ただし、全て成功したわけではない上に、先進国でも同様の問題が発生してきたため、新たにSDGsが設けられました。

17の目標はどれも具体的でわかりやすいゴールが設定されており、どのくらい目標を到達できているかを示すロゴのデザインが印象的なことから、一気に世界中へと効果的に広まったのです。

上記のような理由から、SDGsは多くの方に知られるほど話題性を持つようになりました。現在では日本でもイベントが開催されており、気軽に参加することもできます。

SDGs経営の基本情報

こぶしを突き合わせる男女4人の手

SDGsの基本情報をある程度把握した上で、経営とどのような関係性があるのか見ていきましょう。

この項目では、SDG経営を取り入れる利点や背景などについて紹介します。国による経営ガイドにも触れていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

SDGs経営を取り入れる利点

SDGs経営を取り入れる利点としては、主に3つあります。

1つ目は、ビジネスチャンスになることです。

投資家や消費者に対して、SDGsに取り組んでいることを積極的にアピールすることで、SDGsの認知度だけではなくマーケットの開拓および拡大につながります。その上、社会的課題解決への責任を果たしている会社である認識してもらえるきっかけとなり、世間からのイメージが向上する可能性もあるでしょう。

2つ目は、ESG投資に対して良い影響を与えられることがあげられるでしょう。

ESG投資というのは、「環境」「社会」「企業統治」の3つを重視している会社を選別して決める投資のことを指します。ESG投資は会社が行っている事業の社会的意義や成長の持続性などがチェックされるため、SDGsへの取り組みと組み合わせやすいという利点があるのです。

3つ目は、若い従業員や消費者からの印象が良くなることでしょう。

若い世代は、上記で紹介したような地球問題の影響を最も受ける世代であり、SDGsで掲げられている問題に対して敏感です。そのため、SDGs経営を採用することで若い世代から注目を浴びやすくなり、会社のイメージアップにつながる可能性が高いでしょう。

SDGs経営が重視される背景

経営にもSDGsが求められるようになった背景としては、国際的な動きが関与しています。

現代は経済的なグローバル化や世界全体の持続可能性が重視される時代です。もしSDGsに取り組んでいなければ、社会的な課題解決への責任を果たしていないと見られてしまい、世間からの評価が落ちる恐れがあります。

つまり国や企業に対する評価基準が、地球の問題や持続可能性に対してどれくらい取り組んでいるかに変わってきているのです。

また持続可能性に対するESG投資が拡大しているため、企業の資金集めにも関連しており、SDGsに取り組んでいない企業は今後投資してもらえない可能性があります。

最悪の場合、サプライチェーンから除外されてしまうかもしれません。そのため、SDGs経営が求められるようになっているのです。

現在世界中でSDGsを経営に取り入れる方法が模索されており、日本国内でもノウハウが確立されつつあります。

国内外の知識を踏まえ、日本企業もSDGs経営に取り組んでいくことができるよう、SDGs経営ガイドが作成されました。

国によるSDGs経営ガイドとは?

もしあなたがSDGs経営についてもう少し詳しく知りたいのであれば、国が発表しているガイドをチェックしてみましょう。

ガイド内には、企業とSDGsの関係性やSDGs経営の実践方法、長期視点を担保する上での経営システムなどが記載されています。詳しく知りたい方だけではなく、これからSDGs経営に取り組もうと考えている方も、一度読んでおいたほうが良いでしょう。

参照:https://www.meti.go.jp/press/2019/05/20190531003/20190531003.html

国内企業のSDGs経営ガイドの活用状況

国内企業では、実際のところSDGs経営ガイドはどの程度活用されているのでしょうか。

GPIF(年金積立金管理運用独立法人)が2020年5月に発表した、機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業向けアンケート集計結果」によると、東証一部上場企業の約6割がSDGsの取り組みを始めているそうです。

調査資料は主に大企業のみのデータとなりますが、大企業の半分以上がすでにSDGsに対して何らかのアクションを起こしているようです。さらにSDGsの取り組みの際に、経済産業省の公表しているSDGs経営ガイドが活用されています。

SDGs経営ガイドを読み解くヒント

SDGs経営ガイドを読むうえで、おさえておきたいポイントを5つに絞って解説します。今後SDGs経営ガイドを活用し、SDGsに取り組んでいきたいと考えている方は参考にしてみてください。

  SDGsと日本社会の価値観の親和性

“会社が世のため人のために存在するという考え方は、日本では、「三方よし」の精神や渋沢栄一の道徳経済合一説においてみて取れる。日本企業は古くから社会課題を捉えて成長を実現してきた。”

SDGsは最近になって登場したものではなく、日本に従来からある価値観と近いものです。

  バックキャスティング思考

SDGsは2030年までに世界が達成する目標であり、そのために何をするべきかが示されています。企業も同様に、将来の目標から逆算して考える必要があるということです。

すでに行っている事業に単に「SDGs」の表示をつけるだけではなく、SDGsを十分に理解し、企業の戦略に確実に活かしていくことが求められています。

  SDGs経営とCSV

これまでの社会は経済成長優先で、それとは無関係の社会問題が放置されてきました。それらの問題を、テクノロジーや他の企業などと連携し、課題の解決とビジネスを調和させていくことがSDGs経営を実現していくことです。

またSDGs経営とCSV(共通価値の創造)は、同じことを意味するとしています。

  オープンイノベーションの重要性

オープンイノベーションとは、自社の研究機関や組織だけでなく、他社のアイデアや外部リソースを取り入れることです。

社会の問題を解決するためには、自社だけではなく、他と協力しあっていくことが重要です。さらに、経営者自身のコミットと長期的視点も必要とされています。

  日本企業の弱点は発信と対話力

日本企業は世界と比べて、自社の取り組みをアピールすることが苦手な面があります。しかしSDGsという世界共通概念を活用し、国内外のステークホルダーとコミュニケーションの機会を増やし、評価や改善点を受けて、さらに磨き上げていくことが不可欠であるとされています。

SDGs経営の5ステップ

SDGs経営の5ステップ

この項目では、SDGs経営を行う上で大切な5つのステップを紹介します。ステップごとに具体的な説明をしていますので、全て読んで理解した上で実践していきましょう。

ステップ①SDGsの理解

まずは、SDGsについて理解しましょう。いきなりSDGs経営を始めようと思っても、SDGsに関しての知識がなければ意味がありません。

だからこそ、まずはSDGsに関する知識を深めることから始めましょう。前半部分でも紹介していますが。全て伝えたわけではありません。SDGsは奥が深いものであるため、自分でもぜひ調べてみてください。

参考として、国際連合広報サイトを紹介します。

国際連合広報サイト

ステップ②優先課題を決定

SDGsの理解を深めたら、優先すべき課題を決めていきましょう。決める際は、自社とSDGsの関係と取り組み状況について調査および分析した上で現状を把握し、そこから見えてきた結果をもとにして決めることが大切です。もちろん、SDGs全てを達成するのは大変ですので、最初は1つに絞って取り組みましょう。1つだけであれば、集中して取り組みやすくなります。

ステップ③目標の設定

優先課題を決めた後、目標を設定します。この時、目標はあいまいなものではなく、具体的なものにすることが大切です。あいまいな目標は組織全体としてどう取り組めば良いのか分からなくなってしまい、十分なパフォーマンスが発揮されません。具体的な内容であれば何をどのようにすれば良いのか明確にわかるため、達成するためのプロセスがはっきりしやすくなります。

ステップ④経営への統合

ステップ④では、設定した目標を経営に統合させます。この際に大切なことが、従業員に目標を伝える方法です。従業員からの理解がなければ、目標の達成が難しくなってしまいます。理解を得るためにも、目標の具体的内容やSDGsに取り組む理由などを伝えましょう。

ステップ⑤報告とコミュニケーションの実施

最後のステップは、報告とコミュニケーションの実施です。どちらも目標を達成する上で欠かせないものであり、会社全体の連携を保つ上でも非常に重要なポイントとなります。

ただし、「SDGsウォッシュ」にならないように注意を払ってください。SDGsウォッシュとは、SDGsに取り組んでいるように見せて実際は取り組んでいなかったことを言います。SDGsウォッシュだと思われてしまうと、企業が批判されてしまう要因につながり、企業のイメージを損ねてしまうかもしれません。そうならないためにも、SDGsウォッシュにならないような対策を講じましょう。

SDGsウォッシュについては、こちらの記事で解説しています。

SDGsウォッシュとは?SDGsウォッシュと言われないために

まとめ

人と人がつながるイメージ

今回は、SDGs経営の基本情報を紹介しました。SDGsは世界各国で取り組まれているものであり、現在のようなグローバル化した経済状況下では、SDGsに取り組んでいないほうがリスクとなります。だからこそ、この記事をきっかけとして、新しい経営に取り組んでみてはいかがでしょうか。

この記事が、SDGs経営に興味がある方の参考資料となれば幸いです。

 

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